第73回コロイドおよび界面化学討論会

開催概要

第73回コロイドおよび界面化学討論会

討論会主題:異分野融合・学際領域として拡がるコロイド・界面科学
実行委員長:ヴィレヌーヴ 真澄美(広島大学)
:公益社団法人 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
協賛 応用物理学会、界面動電現象研究会、化学工学会、光化学協会、高分子学会、材料技術研究協会、錯体化学会、色材協会、触媒学会、電気化学会、電気学会、土壌物理学会、ナノ・バイオメディカル学会、ナノ学会、日本家政学会、日本吸着学会、日本香粧品学会、日本混相流学会、日本材料学会、日本食品科学工学会、日本食品工学会、日本生物工学会、日本生物物理学会、日本セラミックス協会、日本中性子科学会、日本トライボロジー学会、日本熱測定学会、日本農学会、日本バイオマテリアル学会、日本肺サーファクタント・界面医学会、日本表面真空学会、日本物理学会、日本分析化学会、日本膜学会、日本水環境学会、日本薬学会、日本油化学会、日本レオロジー学会、表面技術協会、腐食防食学会、粉体工学会、粉体粉末冶金協会(五十音順)
後援: 日本農芸化学会
会場:広島大学 東広島キャンパス(総合科学部東講義棟Kおよび南講義棟L)、広島大学サタケメモリアルホール(東広島キャンパス内)


催事内容 

アカデミックプログラム

総合講演 (9月21日(水)14:00-15:40,S会場)

「チョコレートの品質と結晶化」
上野 聡 (広島大学)
 
界面から解き明かす生命現象のダイナミクス
田中 求 (Heidelberg大学/京都大学)
 

特別講演(9月21日(水)15:50-16:40,S会場)

「分子マシン手動操作、ナノカーボン合成、幹細胞分化制御、すべて液体界面でできること」
有賀 克彦(物質・材料研究機構/東京大学新領域)

 

令和4年度奨励賞受賞講演

科学奨励賞 

9月20日 (火) 14:00-14:40,E会場
「水熱環境下における界面形成を利用した糖からのカーボンナノ構造および多孔体の新規合成手法の開発」
久保 史織(産業技術総合研究所)
 
9月20日 (火) 13:00-13:40,H会場
Structure of Bimetallic Nanoparticles Synthesized by Sputtered Deposition onto Liquid and Their Catalytic Properties

Mai Thanh Nguyen(北海道大学)

 

技術奨励賞

9月20日 (火) 15:20-16:00,A会場
「長鎖アルキルアミドアミン乳酸塩/高級アルコール/水混合系が形成するαゲル構造の解明と制御」
齋藤 隆儀(花王株式会社)
 
9月20日 (火) 11:20-12:00,A会場
α-スルホ脂肪酸エステル塩(MES)の溶解性改善による液体洗剤への応用

森垣 篤典(ライオン株式会社)
 

一般研究発表

1. 界面活性剤と両親媒性物質
オーガナイザー:吉村 倫一(奈良女子大学)、酒井 俊郎(信州大学)、景山 元裕(ライオン(株))、秋山 恵里(花王(株))

(1) 界面活性剤の合成・溶液物性、(2) 分子集合体・相挙動、(3) ゲル・液晶、(4) エマルション、(5) 起泡・消泡、(6) 応用・開発、(7)分析手法
 

2. 分子膜
オーガナイザー:藤森 厚裕(埼玉大学)、渡邉 智(熊本大学)、菱田 真史(筑波大学)

(1) 不溶性単分子膜・LB 膜、(2) 自己組織化膜、(3) 吸着単分子膜、(4) 二分子膜、(ベシクル・リポソームなど)、(5) 積層膜、(LbL膜など)、(6) 粒子膜、(7) 界面物性、(気-液、液-液、固-液)、(8) 応用・開発、(9) 分析手法
 

3. ソフトマターとバイオシステム
オーガナイザー:石田 尚之(岡山大学)、並河 英紀(山形大学)、水上 雅史(東北大学)、五十島 健史(日本ロレアル(株))

(1) 高分子のコロイド・界面、ゲル、(2)イオン液体、(3) アクティブマター・非線形・非平衡、(4) 生体分子・バイオマテリアル・バイオミメティクス、(5) 夾雑系、(6) ドラッグデリバリー・バイオメディカル、(7) 応用・開発、(8) 分析手法
 

4. 微粒子・ナノ粒子・ナノマテリアル
オーガナイザー:川﨑 英也(関西大学)、松下 祥子(東京工業大学)、白幡 直人(物質・材料研究機構)、大場 友則(千葉大学)

(1) 合成・作製プロセス、(2) 構造・物性、(3) 機能・応用、(4) 理論・計算科学
 

5. 分散・凝集
オーガナイザー:武田 真一(武田コロイドテクノ・コンサルティング(株))、日下 靖之(産業技術総合研究所)、桑折 道済(千葉大学)

(1) 分散系の安定性とその理論、(2) 濃厚分散系、(3) 界面電気現象・界面動電現象、(4) 粒子表面間力、(5) レオロジー、(6) コロイド結晶・粒子配列、(7) 応用・開発、(8) 分析手法
 

6. 固体表面と濡れ・吸着・接着
オーガナイザー:飯山 拓(信州大学)、山田 真爾(花王(株))、近藤 篤(大分大学)

(1) 固体表面構造と物性・機能、(2) 吸着と触媒、(3) ナノ材料、ナノ空間、多孔体、細孔、(4) ぬれ性と超撥水・超親水表面、(5) 機能性固体の合成・製造、(6) 表面力・トライボロジー、(7) マイクロファブリケーション、(8) 応用・開発、(9) 分析手法
 

国際シンポジウム

オーガナイザー:瀧上 隆智(九州大学)、藤井 秀司(大阪工業大学)、蟹江 澄志(東北大学)

本討論会の国際化を進めるために、国際交流委員会が主体となって国際シンポジウムを企画・実施します。
 

 

一般シンポジウム

シンポジウム1「異分野融合・学際領域として拡がるコロイド・界面科学」
企画提案者:ヴィレヌーヴ 真澄美(広島大学)、松原 弘樹(広島大学)、深澤 智典(広島大学)
開催日:9月20日 (火) 13:30-15:40,G会場
コロイド・界面系は気象、材料プロセス、資源リサイクル、食品など人間の興味対象、活動場面のいたるところに存在する。コロイド・界面化学は歴史的に、これらを扱う実学において帰納的に発見された諸法則から演繹的に新たな法則や理論が導かれ学問として体系化された。このような幅広い分野に偏在する法則を体系化したコロイド・界面化学は、本来異分野融合領域、学祭領域と親和性が高い。本シンポジウムでは広島大学の研究者による研究を中心に、特に気象と関わるエアロゾル化学、粉体工学、食品化学における近年の展開を紹介し、研究者間の分野横断的な相互作用と交流を図り、コロイド・界面化学のさらなる発展に資することを目的とする。
企画講演:
「光ピンセットで雲をつかむ計測法の開発」石坂 昌司(広島大学)
交流電場によるタンパク質結晶化過程の制御」小泉 晴比古(広島大学)
「凝集特性の差異に基づく振動流動層を用いた混合粉体からの成分分離」深澤 智典(広島大学)
グルテンフリー米粉パンにおけるデンプンの役割」ヴィレヌーヴ 真澄美(広島大学)
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ無
 
シンポジウム2「最先端電子部品にかかわるコロイド・界面化学」
企画提案者:米澤 徹(北海道大学)、日下 靖之(産業技術総合研究所)
開催日:9月22日 (木) 9:00-12:40,G会場
午前我が国の電子部品産業は、大きな世界シェアをもつ産業であり、多くのスマートフォンをはじめ多くの最先端情報通信機器や自動車の電装部品には日本製の電子部品が多く使われており、さらにはそれを構成する材料のシェアは極めて高い。こうした最先端電子部品にはコロイド界面化学がかかわる緻密に制御された材料が使われている。そこで、本シンポジウムでは、最先端電子部品にかかわるコロイドおよび界面化学の現状を俯瞰し、その重要性を会員と共有するとともに、この分野のさらなる発展のためにコロイド界面化学が貢献しうる場面について議論する。
企画講演:
積層セラミックコンデンサのプロセッシング技術 -これまでと今後に向けて-」坂本 渉(中部大学)
「界面およびナノ構造制御による高性能誘電材料の開発への挑戦」和田 智志(山梨大学)
「先端微細接合プロセスに用いる粒子システム」西川 宏(大阪大学)
「新規量子ドットLEDシステムに向けた粒子の設計思想」齋藤 健一(広島大学)
誘電体ナノキューブ単層膜の自己組織集積と超薄層キャパシタの開発板坂浩樹(産業技術総合研究所)
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ無
 
シンポジウム3「光学材料の新展開 ~界面由来の新規光学特性~」
企画提案者:大久保 貴広(岡山大学)、武安 伸幸(岡山大学)
開催日:9月20日 (火) 9:00-12:20,G会場
ナノ構造由来の様々な光学材料が知られており、メタマテリアルのような数多くの金属ナノ構造が集積されたバルク材料もその一例である。それらの材料の多くはボトムアップ的手法で作製されるが、金属ナノ構造の形状が限られてしまうなどの欠点も多い。一方で近年、光照射下で自律的に成長する金属樹状結晶の成長機構が解明されるなど、光学材料に新たな展開が見られつつある。
本シンポジウムでは、光学材料の創製手法、並びに得られた材料の新規光学特性を分野横断的に概観し、界面由来のナノ構造の重要性を基礎に立ち返って深化させると共に、今後の展開について議論したい。
企画講演:
「単層カーボンナノチューブの表面修飾による水分解光触媒系の構築」高口 豊(富山大学)
「プラズモン増強ラマンによる多様な環境下におけるナノスケール界面分光」早澤 紀彦 (理化学研究所)
「中空マイクロガラス管を使った高感度ラマン分光分析法」庄司 暁(電気通信大学)
積層Pdナノシートに担持されたAuナノリングの液相合成とプラズモン特性」横田 幸恵(上智大学)
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ可
 
シンポジウム4 「界面が織りなす生命性」
企画提案者:松尾 宗征(広島大学)、渡邊 千穂(広島大学)、中田 聡(広島大学)
開催日:9月21日 (水),9:00-11:50,G会場
生物は「境界」をもつことで、はじめて自他を区別し、個としての生命性を創発する。このため、個と外界との相互作用はすべて境界を通し行われ、その界面挙動が生命性発現の鍵となる。一方で、界面によりつくり出される微小な内部空間の特性は、生命性維持に寄与する秩序形成を可能にする。比表面積が大きく、界面物性の効果が大きい微小な人工細胞やロボットの開発には、界面での分子集団の特性を応用した生命性の創発が不可欠である。本シンポジウムでは、界面の生成や界面での分子の挙動が織りなす、分子集合体の生命性とその創発機序の理解、そして応用までを化学だけでなく生物学や物理学をも踏まえた学際的視点から議論したい。
企画講演
「生命を駆動する中心代謝酵素の新たな挙動ー酵素集合体形成による可逆的な細胞内代謝区画の形成」三浦 夏子(大阪公立大学)
「高分子水溶液系における相分離とDNA濃縮」小林 美加(東京大学)
「踊る人工多細胞」野村 慎一郎(東北大学)
油水二相液膜系における自発電位振動現象が生み出すセンシング機能」南齋 勉(静岡理工科大学)
企画講演以外の発表について:口頭発表受け入れ可、ポスター発表受け入れ可