[T3-P-2] 栗駒山麓ジオパークにおける荒砥沢地すべり地の防災教育への活用
キーワード:ジオパーク、栗駒山麓ジオパーク、荒砥沢地すべり、平成20(2008)年岩手・宮城内陸地震、防災教育
宮城県の北西部に位置する栗原市では,2008年岩手・宮城内陸地震により,山麓部を中心に3,500か所以上の山地災害が発生した.中でも,荒砥沢ダムの上流部で発生した荒砥沢地すべりは,幅900 m,斜面長1,300 mの移動体が,森林や道路をのせたまま南東方向へ300 m水平移動し,高さ150 mの滑落崖が出現した.この巨大地すべりは,国内に現存する地すべりとしては最大級とされ,日本の地質百選にも選ばれている.
栗駒山麓ジオパークでは,荒砥沢地すべりや冷沢崩落地などの災害遺構を防災教育に活用している.例えば,藍染湖ふれあい公園からの荒砥沢地すべりの展望や冷沢崩落地にある寸断された道路を見学し,岩手・宮城内陸地震により発生した現象や被害の様子を体感してもらう学習プログラムを提供している.現在,市内のほぼすべての小・中学校が導入しているほか,市外の中学校からの依頼も増加している.ただし,岩手・宮城内陸地震から15年が経過し,植生が徐々に拡大してきたことで,荒砥沢地すべりの展望が困難になってきている現状もある.
一方,栗駒山麓ジオパークでは,東北大学東北アジア研究センターの佐藤源之教授と連携し,GB-SAR(地表設置型合成開口レーダー)を用いた荒砥沢地すべりの滑落崖の常時観測を行っている.その結果,観測を始めてから現在まで,大きな変動が起こっていないことが示された.これをふまえて,荒砥沢地すべり地の管理者である林野庁東北森林管理局と協議し,栗駒山麓ジオパークとして条件付きで荒砥沢地すべり地内部を活用することが可能となった.これに伴い,「荒砥沢地すべり地入林に係る基本指針」を改定し,今年度から荒砥沢地すべり地内部を活用した高校生向けの防災学習を試験的に実施している.今後,これらの成果や参加者からの意見をもとに,新たな防災学習プログラムの開発を検討する.
栗駒山麓ジオパークでは,荒砥沢地すべりや冷沢崩落地などの災害遺構を防災教育に活用している.例えば,藍染湖ふれあい公園からの荒砥沢地すべりの展望や冷沢崩落地にある寸断された道路を見学し,岩手・宮城内陸地震により発生した現象や被害の様子を体感してもらう学習プログラムを提供している.現在,市内のほぼすべての小・中学校が導入しているほか,市外の中学校からの依頼も増加している.ただし,岩手・宮城内陸地震から15年が経過し,植生が徐々に拡大してきたことで,荒砥沢地すべりの展望が困難になってきている現状もある.
一方,栗駒山麓ジオパークでは,東北大学東北アジア研究センターの佐藤源之教授と連携し,GB-SAR(地表設置型合成開口レーダー)を用いた荒砥沢地すべりの滑落崖の常時観測を行っている.その結果,観測を始めてから現在まで,大きな変動が起こっていないことが示された.これをふまえて,荒砥沢地すべり地の管理者である林野庁東北森林管理局と協議し,栗駒山麓ジオパークとして条件付きで荒砥沢地すべり地内部を活用することが可能となった.これに伴い,「荒砥沢地すべり地入林に係る基本指針」を改定し,今年度から荒砥沢地すべり地内部を活用した高校生向けの防災学習を試験的に実施している.今後,これらの成果や参加者からの意見をもとに,新たな防災学習プログラムの開発を検討する.