日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[IX-29-21_24] 栄養・飼養(Ⅸ-午後)

2019年3月29日(金) 14:00 〜 14:40 第IX会場 (8号館8502講義室)

座長:塚原 隆充(栄養・病理研)

14:20 〜 14:30

[IX29-23] 日齢及び性別の違いが地鶏の肉質に及ぼす影響

本田 和久, 宮下 基, 田中 真由子, 實安 隆興, 上曽山 博 (神戸大院農)

【目的】一般に,食肉の美味しさは飼育期間や性別によって影響を受けるとされている.本研究では,日齢及び性別の違いが地鶏肉の美味しさを含む肉質に及ぼす影響について調べた.【方法】0日齢の雌雄の地鶏(ひょうご味どり)を平均体重が等しくなるよう2群に分け,トウモロコシ主体飼料を給与して75日齢,或いは96日齢まで飼育した.12時間絶食後,炭酸ガス麻酔下で安楽死させた後,放血,脱羽後,むね肉及びもも肉を摘出し,重量を測定した.もも肉は,24時間冷蔵保存後,上ももを減圧包装し,-30℃で冷凍した.冷凍後,内転筋に対して垂直に1cm幅でスライスし,内転筋及び大腿二頭筋等を含む中央の4枚を再び減圧包装後,官能検査に供するまで-30℃で冷凍保存した.官能検査当日,冷凍スライス肉を解凍後,3倍量の1%食塩水を加え,沸騰浴中で15分間加熱した後,官能検査に供した.【結果】76日齢のもも肉は,雄より雌がジューシーであること,97日齢のもも肉は,雄より雌が噛み切りやすく,咀嚼しやすいこと,雄のもも肉は76日齢より97日齢の方が噛み切りやすく,脂っこさが少ないこと,及び,雌のもも肉は76日齢より97日齢の方が歯ごたえがあることが,それぞれ示唆された.これらの結果から,雄よりは雌,76日齢よりは97日齢まで飼育した地鶏の肉質が好ましいことが示唆された.