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[XIV29-32] 給与飼料の違いが日本短角種牛肉の揮発性成分に及ぼす影響
【目的】揮発性成分は牛肉のおいしさに関わる重要な項目であり,給与飼料の影響を受けることが知られている.本研究では,給与した配合飼料の違いが日本短角種牛肉の揮発性成分に及ぼす影響を調査した.【材料および方法】岩手県久慈市山形町で肥育された給与飼料が異なる2種類の日本短角種について調査を行った.一方は小麦等の国産原料で構成された配合飼料を給与し(A区,n=4),もう一方は非遺伝子組み換えのトウモロコシ等で構成された配合飼料およびアルコール発酵飼料を給与した(B区,n=4).各個体のリブロース(2℃,21日間,ウェットエージング)の皮下脂肪0.2gと内部標準をバイアル瓶に入れ,80℃で加熱し,SPMEファイバーで揮発性成分を採取し,GC-MS分析を行い,各成分の強度を比較した.【結果】両区で検出された32種の揮発性成分のうち,A区ではミリスチン酸,δ-デカラクトン,δ-ドデカラクトン,δ-テトラデカラクトンおよびネオフィタジエンの強度が有意に高かった(p<0.05).一方,B区では,酸化によって生じると考えられる2-ヘプタナール,1-オクテン-3-オール,2-オクテン-1-オールおよびγ-ドデカラクトンの強度が有意に高かった.以上の結果から,今回比較した2種の日本短角種牛肉では揮発性成分に違いが認められ,これには酸化が関与している可能性が推察された.