栄養・飼養Ⅱ

[III-20-09] NMRメタボロミクスによるワカメとイムノバイオティクス乳酸菌のシンバイオティクス効果の離乳子豚における検証

*宗田 吉広¹、関山 恭代²、須田 智子¹、松尾 賢吾³、高森 宏典³、須田 義人⁴、周 冰卉⁵、北澤 春樹⁵ (1. 農研機構　動物衛生研究部門、2. 農研機構　高度分析研究センター、3. 宮城県畜産試験場、4. 宮城大学、5. 東北大院農)

【目的】我々は、未利用バイオマスのワカメ廃棄部とその資化性乳酸菌の効果、腸内細菌叢及び免疫機能等に及ぼす影響を報告してきた。本発表では、盲腸内容液のNMRメタボロミクスを用い、ワカメと乳酸菌のシンバイオティクス効果について検証した。【方法】宮城県畜試で、R4年度に実施したワカメ及びイムノバイオティクス乳酸菌２種（S株及びD株）の5週齢Ｌ種離乳子豚32頭への給与試験（対照群,ワカメ群,ワカメ＋S群及びワカメ＋D群;各8頭）にて、解剖時（16週齢）の盲腸内容液を採材し、15,000rpm, 5min遠心した上清を0.22μmフィルターでろ過後、NMRメタボロミクスに供した。【結果】検出された42種類の代謝産物のうち、29種（69.0％）が4群間で有意差を示し、S株で7種、D株で22種が対照群あるいはワカメ群に比べ有意に上昇した。主要VFAsである酢酸はS株とD株の両者で、酪酸及びプロピオン酸はＤ株で有意に上昇した（いずれもp<0.05）。乳酸菌給与で低下を示す成分はなかった。また、盲腸内エタノール濃度はS株及びD株の両者で有意に上昇した（p<0.01）。【考察】ワカメ資化性イムノバイオティクス乳酸菌S株及びD株には、離乳子豚の盲腸内有用代謝を向上し、VFAsを増加させ、ワカメとのシンバイオティクス効果を示すことがメタボロミクスの観点から検証された。