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[VII-20-02] ウシ乳房炎乳における体細胞中多形核白血球割合と乳中サイトカインおよび炎症急性期タンパク質濃度との関連
【背景】乳房炎乳のグラム染色により体細胞中多形核白血球割合(PMN%)を算出することで炎症診断を達成させることを目的に,グラム染色により算出されたPMN%と乳中炎症指標物質濃度との関連を調べた。 【方法】実験1: 29症例の乳房炎乳汁を用い,グラム染色および定法であるギムザ染色によりPMN%を算出し比較した。実験2:91症例の乳房炎乳汁用い,体細胞数(SCC),PMN%,炎症性サイトカインおよびケモカイン(IL-6, TNF-α,およびIL-8),抗炎症性サイトカイン(IL-10)および急性期タンパク質(Serum Amyloid A: SAA)濃度を測定し,PMN%との関連を調べた。 【結果および考察】実験1の結果,グラム染色とギムザ染色で算出したPMN%の相関係数は0.847(P < 0.001)であった。実験2の結果,SCCはIL-6, TNF-aおよびSAA濃度と有意な正の相関を認めた一方で,PMN%はIL-10濃度と有意な負の相関を認めた。重回帰分析の結果,SCCはIL-6およびTNF-α濃度の,PMN%はIL-10濃度の予測因子であり,回帰直線の傾きはそれぞれ正および負であった。このことから,高PMN%の症例はその後も炎症が持続する可能性が考えられた。以上より,乳房炎乳のグラム染色によりPMN%算出が可能であり,炎症ステージの推定に応用できる可能性が考えられた。