17:00 〜 17:15
[2Cp-09] 肉質等級の判定に利用可能な画像解析ソフトウェアの開発
キーワード:肉質等級、脂肪交雑、画像解析、Python、人工知能
【目的】当研究室では, ヒトやニワトリなどの脊椎動物の卵子を被覆するように形成され受精に関与する, タンパク質性の網状構造物「卵膜」(ヒトの透明帯に相当) の構造と機能の解明に取り組んでいる. 研究の過程で, 卵膜の網状構造の形態的な特徴 (繊維の直径, 分枝の状態など) を客観的に分析し, 卵膜の形成過程におけるそれらの特徴の変化を追跡するため, 卵膜など生物試料のデジタル画像に対して中心線を検出するソフトウェアの開発を計画した. さらに, 当該ソフトウェアには汎用的な利用価値があると考えられたため, 例えば牛肉の脂肪交雑 (サシ) の画像に適用することによって, 肉質等級の判定にも利用可能であるか検討した.
【方法】生物試料のデジタル画像を既存の方法によって二値化し, 得られた二値化画像に対して既存の方法によって輪郭線を検出することが可能である. そこで本研究では, 得られた輪郭線に対し, 輪郭線の内側の画素と輪郭線上の画素との距離および位置関係から簡易的に二値化画像の中心線を検出する, 新たなアルゴリズムを開発した. 開発されたアルゴリズムに従い, プログラミング言語 Python を用いて, 中心線簡易検出ソフトウェアを作成した.
【結果】作成された中心線簡易検出ソフトウェアを使用して, 単純な図形から当研究室で研究対象としている卵膜の繊維状構造や本研究の目的である牛肉の脂肪交雑の画像といった複雑な図形に至るまで, 二値化画像の中心線を簡便に検出することに成功した. 検出された中心線は, 解析対象とした画像の形態的な特徴の情報を十分に反映していると考えられたため, それらをデータセットとして学習させた人工知能 (AI) を開発し利用すれば, 生物試料の複雑な形態変化の客観的な追跡や肉質等級の自動判定などが実現可能であると期待される.
【方法】生物試料のデジタル画像を既存の方法によって二値化し, 得られた二値化画像に対して既存の方法によって輪郭線を検出することが可能である. そこで本研究では, 得られた輪郭線に対し, 輪郭線の内側の画素と輪郭線上の画素との距離および位置関係から簡易的に二値化画像の中心線を検出する, 新たなアルゴリズムを開発した. 開発されたアルゴリズムに従い, プログラミング言語 Python を用いて, 中心線簡易検出ソフトウェアを作成した.
【結果】作成された中心線簡易検出ソフトウェアを使用して, 単純な図形から当研究室で研究対象としている卵膜の繊維状構造や本研究の目的である牛肉の脂肪交雑の画像といった複雑な図形に至るまで, 二値化画像の中心線を簡便に検出することに成功した. 検出された中心線は, 解析対象とした画像の形態的な特徴の情報を十分に反映していると考えられたため, それらをデータセットとして学習させた人工知能 (AI) を開発し利用すれば, 生物試料の複雑な形態変化の客観的な追跡や肉質等級の自動判定などが実現可能であると期待される.