The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

A 食品成分,食品分析 (Food Ingredients, Food Analysis)

[2Dp] Food Analysis

Fri. Aug 30, 2024 3:00 PM - 6:00 PM Room D (3F N324)

Chair:Tatsuro Maeda

4:00 PM - 4:15 PM

[2Dp-05] Development of accelerated testing method for frozen bread dough

*Maho Fujimoto1, Aki Morita1 (1. Mitsubishi Corporation Life Sciences Limited)

Keywords:bread, frozen bread dough

【目的】パン生地を製パン工程の途中で凍結させた冷凍生地では,冷凍期間が長くなるに伴って品質低下が起こる.そのため冷凍生地は一般的に90日後まで保存試験を行う必要があり,時間を要する.そこで本研究では冷凍生地の品質を短期間で評価できる加速試験方法を確立することを目的とした.これまでの検討により,冷凍耐性のないイーストを用いること,フロア時間を伸ばすこと,吸水量を増やすこと,-24℃から5℃といった温度変化を繰り返し与えることで,過度な品質劣化が起きることが明らかになった1).そこで温度変化の条件についてより詳細に検討し,長期冷凍によるパンの品質低下を短期間で再現できる条件を検討した.
【方法】成形冷凍生地製法のロール生地で評価を行った.冷凍保存中の温度を変化させ,通常の条件で保存した冷凍生地のパンの外観,内相及び比容積と比較した.温度変化条件は,最大結晶生成帯温度通過の有無,また温度上昇速度を検討した.
【結果】冷凍保存中の生地に温度変化を与えるとパンの品質は低下した.温度上昇が急速である場合,また生地の中心温度が最大結晶生成帯を通過する場合で過度の劣化が起きた.結果,生地中心温度を-20℃から-5℃まで緩慢に上昇させ,生地中心温度を-20℃まで下げるサイクルを一日3往復,9日間繰り返すことで,通常冷凍90日相当の品質低下を再現できることが明らかになった.この加速試験条件で冷凍生地用改良剤の添加効果を検証したところ,加速試験9日後のパンの外観,内相及び比容積は通常冷凍90日後と同等となった.以上をもって冷凍生地の加速試験方法を確立させることができた.
1)藤本ら(2023),日本食品科学工学会第70回大会講演要旨集,p142