4:15 PM - 4:30 PM
[2Dp-06] Evaluation of factors for enhancement of sweet flavor in bread by α-amylase addition
Keywords:bread, α-amylase, oligosaccharides, flavor compounds
【目的】α-アミラーゼは、デンプンのα-1,4結合を加水分解する酵素であり、製パンでは、添加することでやわらかさの増大や老化防止効果が知られ、工業的にも使用されている。しかしながら、その風味への影響はよく検証されていない。我々はこれまでにα-アミラーゼを添加すると甘い風味増強が起こることを見出した。本研究では、その要因について、香気成分、水溶性成分など成分レベルで調べることを目的とした。
【方法】製パン用α-アミラーゼを用い、強力粉に対して添加濃度0~500 ppmの食パンをホームベーカリーで焼成した。放冷後、一晩保存し、クラム部をサンプルとした。まず官能評価により、食べた際のやわらかさ、甘さの強度について順位法で調べた。香気成分については、サンプルを専用のバイアル瓶に封入し、HS-GC/MSによって測定した。水溶性成分については、パンサンプルを凍結乾燥粉砕後、抽出溶媒で抽出し、これをTMS誘導体化後GC/MSによって測定した。オリゴ糖の分析については、PMP誘導体化後、LC-MSによって行った。
【結果および考察】α-アミラーゼを添加するとパンのやわらかさ、甘さがともに有意に強くなった。検出された香気成分では、2-methylbutanoic acidや酢酸などの酸類、3-hydroxy-2-butanoneや1-hydroxy-2-propanoneなどのケトン類がα-アミラーゼの添加濃度に伴って増大した。水溶性成分では、特にマルトースやグルコースが増加した。より詳細に知るため、オリゴ糖についてPMP誘導体化後、LC-MSで一斉分析を行ったところ、α-アミラーゼを添加すると、低分子糖の増加だけでなく、多くのマルトオリゴ糖の増加が見られ、これらの増大が風味に関与することが考察された。
【方法】製パン用α-アミラーゼを用い、強力粉に対して添加濃度0~500 ppmの食パンをホームベーカリーで焼成した。放冷後、一晩保存し、クラム部をサンプルとした。まず官能評価により、食べた際のやわらかさ、甘さの強度について順位法で調べた。香気成分については、サンプルを専用のバイアル瓶に封入し、HS-GC/MSによって測定した。水溶性成分については、パンサンプルを凍結乾燥粉砕後、抽出溶媒で抽出し、これをTMS誘導体化後GC/MSによって測定した。オリゴ糖の分析については、PMP誘導体化後、LC-MSによって行った。
【結果および考察】α-アミラーゼを添加するとパンのやわらかさ、甘さがともに有意に強くなった。検出された香気成分では、2-methylbutanoic acidや酢酸などの酸類、3-hydroxy-2-butanoneや1-hydroxy-2-propanoneなどのケトン類がα-アミラーゼの添加濃度に伴って増大した。水溶性成分では、特にマルトースやグルコースが増加した。より詳細に知るため、オリゴ糖についてPMP誘導体化後、LC-MSで一斉分析を行ったところ、α-アミラーゼを添加すると、低分子糖の増加だけでなく、多くのマルトオリゴ糖の増加が見られ、これらの増大が風味に関与することが考察された。