9:15 AM - 9:30 AM
[3Ca-02] Prediction algorithm for storage temperature of soy sauce by metabolites’ MS signals obtained by graphite sheet-assisted laser desorption ionization mass spectrometry
Keywords:graphite sheet, laser desorption ionization mass spectrometry, soy sauce, food quality
【目的】これまでに, グラファイト骨格および高いUV吸収性を有するフレキシブルなシート状材料(以下, グラファイトシート)が,レーザー脱離イオン化質量分析(LDI-MS)において低分子化合物のイオン化に有用であることを示してきた. そこで本研究では, 迅速・簡便な食品分析を可能にする本グラファイトシート支援LDI-MS 法を用いて, 食品品質管理における有用性を実証するため, しょうゆの保存温度履歴の予測・評価の可否を検討することを目的とした.
【方法】本研究では市販のしょうゆを用い, 活栓付きガラス試験管(50 mL/50 mL容器)に封入後, 4-60℃条件下で6日間保存したものを分析対象とした. ITOコートガラスに導電性アルミテープを用いてグラファイトシートを貼付後, しょうゆ試料(1,000倍希釈液, 内標準:[13C6]グルコース, [13C5,15N1] グルタミン酸, 各終濃度 0.1 mmol/L )を0.5 µL滴下・風乾し, LDI-MS分析に供した.
【結果】保存温度の異なるしょうゆを分析対象とし, グラファイトシート支援LDI-MS分析に供したところ, 正・負両イオンモードにおいて合計277本のMSシグナルが得られた. 得られたMS スペクトルを主成分分析に供したが, PCAでは保存温度の予測には至れなかった. そこで, 保存温度を目的変数として重み付け可能な重回帰分析, および, 説明変数の最適化と次元削減を可能にするLASSO回帰(λ= 0.1)を実施した. その結果, LASSO 回帰により47 個のMS シグナルが抽出され, 重回帰モデルによる予測精度は, 決定係数は0.821, 平均二乗誤差は85.7を示し, ±9.26℃の精度で保存温度を推定可能であることが示された.
以上のことから, グラファイトシート支援LDI-MS 分析法と機械学習の併用によりしょうゆをはじめとする食品品質の予測・評価が可能であることが示された.
【方法】本研究では市販のしょうゆを用い, 活栓付きガラス試験管(50 mL/50 mL容器)に封入後, 4-60℃条件下で6日間保存したものを分析対象とした. ITOコートガラスに導電性アルミテープを用いてグラファイトシートを貼付後, しょうゆ試料(1,000倍希釈液, 内標準:[13C6]グルコース, [13C5,15N1] グルタミン酸, 各終濃度 0.1 mmol/L )を0.5 µL滴下・風乾し, LDI-MS分析に供した.
【結果】保存温度の異なるしょうゆを分析対象とし, グラファイトシート支援LDI-MS分析に供したところ, 正・負両イオンモードにおいて合計277本のMSシグナルが得られた. 得られたMS スペクトルを主成分分析に供したが, PCAでは保存温度の予測には至れなかった. そこで, 保存温度を目的変数として重み付け可能な重回帰分析, および, 説明変数の最適化と次元削減を可能にするLASSO回帰(λ= 0.1)を実施した. その結果, LASSO 回帰により47 個のMS シグナルが抽出され, 重回帰モデルによる予測精度は, 決定係数は0.821, 平均二乗誤差は85.7を示し, ±9.26℃の精度で保存温度を推定可能であることが示された.
以上のことから, グラファイトシート支援LDI-MS 分析法と機械学習の併用によりしょうゆをはじめとする食品品質の予測・評価が可能であることが示された.