[3Ga] 抗腫瘍、抗炎症、抗アレルギー

[3Ga-02] ローズマリー精油抽出残渣エキスの機能性評価

*奥津 美月¹、衛藤 未侑²、山野 亜紀³、禹 済泰^3,4、渡辺 章夫^1,2 (1. 十文字学園女子大・人間生活、2. 十文字学園女子大・院・人間生活、3. （同）天然資源研究開発センター、4. 中部大・院・応用生物)

キーワード：ローズマリー精油抽出残渣エキス、抗炎症、抗高尿酸血症

【目的】ローズマリー（Rosmarinus officinalis L.）には認知機能改善作用や抗炎症作用などの機能性が多数報告されている．またローズマリーはアロマオイルとして人気であるが，アロマオイルを製造する過程で生じる残渣は廃棄物として処分されており，その有効活用が課題となっている．我々は，ローズマリー精油抽出残渣を含水アルコールで抽出し，アルコールを飛ばした後水洗いをし，不溶成分を乾燥させ，ローズマリー精油抽出残渣エキスを製造した．本研究では，ローズマリー精油抽出残渣エキスの機能性探索を目的とし，抗炎症，抗アレルギー，尿酸産生抑制効果について検討したので報告する．
【方法】ローズマリー精油抽出残渣エキスの抗炎症作用を評価するために，リポポリサッカライドで炎症が惹起されたマウスマクロファージ様細胞株RAW264を用いて一酸化窒素（NO）産生を指標に評価した．抗アレルギー作用を評価するために，IgE抗体とDNP-BSAで脱顆粒反応を誘導したラット好塩基球性白血病細胞株RBL-2H3 を用いてβ-ヘキソサミニダーゼ活性を指標に評価した．尿酸産生に与える影響を評価するために，プリン体添加で尿酸産生誘導したマウス肝細胞株AML12を用いて培養上清中の尿酸量を評価した．
【結果】RAW264細胞における検討では，ローズマリー精油抽出残渣エキスは濃度依存的にNO産生を抑制した．RBL-2H3細胞における検討では，ローズマリー精油抽出残渣エキスは濃度依存的に脱顆粒反応を抑制した．AML12細胞における検討では，ローズマリー精油抽出残渣エキスはプリン体添加で上昇した尿酸産生を濃度依存的に抑制した．今後は，ローズマリー精油抽出残渣エキスの作用成分を明らかにすると共に，抗炎症，抗アレルギー，抗高尿血症効果の詳細な作用メカニズムの解析を進めていく予定である．