[3Ia] Livestock products, Milk products

[3Ia-07] Enhancement of 3-methylbutanal production in fermented milk using Lactococcus lactis subsp. lactis AJ01, a nutty flavor producing strain

*Natsuki Hayashizaki¹, Harutoshi Tsuda^2,1 (1. Hirosaki Univ. Grad school of Sustainable Community Studies, 2. Hirosaki Univ. Faculty of Agriculture and Life Science)

Keywords:Lactic acid bacteria, High performance liquid chromatography, Cheese, 3-methylbutanal, Nutty flavor

【目的】本研究室が保有するLactococcus lactis subsp. lactis AJ01は青森県の酪農場で分離された乳酸菌であり，3-メチルブタナールを産生することが分かった。この物質はナッツ臭を呈するアルデヒドで，ハードチーズにおいては好ましい香気とされている。しかしながら，現在，乳酸菌の培養条件が3-メチルブタナール産生に及ぼす影響についてはよくわかっていない。本研究では3-メチルブタナールをより多く含む乳製品の創造に寄与すべく， 3-メチルブタナールの前駆体であるロイシンを還元脱脂乳に添加し，AJ01株で発酵させた場合の3-メチルブタナール濃度を調べた。
【方法】還元脱脂乳に種々の濃度でロイシンを添加し，AJ01株で発酵（30℃，18時間）させた発酵乳を供試試料とした。発酵乳中の3-メチルブタナールを定量するため，発酵乳を80％メタノールで抽出し，2,4-ジニトロフェニルヒドラジンで誘導体化したのち，HPLC分析に供した。移動相として60％アセトニトリルを使用し， 365 nmにて検出した。
【結果】還元脱脂乳に種々の濃度でロイシンを添加し， AJ01株で発酵させた場合の3-メチルブタナール濃度を調べた結果，ロイシン添加量とAJ01株の3-メチルブタナール産生量は比例し，100 mg/kgの添加でロイシン無添加発酵乳と比較して約2倍量の3-メチルブタナール産生が見られた。しかしながらロイシンの添加によるAJ01株の3-メチルブタナール産生量増加には上限が存在し，100～1000 mg/kgのロイシン添加発酵乳における3-メチルブタナール濃度に有意な差は見られなかった。これらの結果より，乳製品製造時，AJ01株による3-メチルブタナール産生量を増強させるには100 mg/kgのロイシンの添加が効果的な方法であることが示された。