The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3Kp] Physical property of food

Sat. Aug 31, 2024 2:30 PM - 5:00 PM Room K (2F N206)

座長:松宮 健太郎(京都大学)、佐藤 之紀(弘前大学)、津村 和伸(摂南大学)

4:30 PM - 4:45 PM

[3Kp-09] Analysis of Surface Starch Gelatinization and Quantification of Smoothness in Chinese Noodles

*Kota Ogawa1, Shota Koyama2, Yoshimasa Tsujii2 (1. Dept. Agric. Chem., Grad. Sch. Appl. Biosci., Tokyo Univ. Agric., 2. Dept. Agric. Chem., Fac. Appl. Biosci., Tokyo Univ. Agric.)

Keywords:Chinese noodles, Physical property, Gelatinization

【目的】中華麺の評価は食感が大きく関与しており, 硬さやコシといった物理特性や麺内部の澱粉およびタンパク質に関する研究が盛んに行われてきた. しかし, 麺の食感に欠かせないつるつる感に代表される麺表面の食感に対する知見は少ない. そこで昨年度は, 麺表面に焦点を当て構造観察を行い, 1000倍の観察では茹で開始僅か10秒で平坦な面を形成し, 喫食時まで維持している様子を確認した. 本年度は, その構造変化への寄与が高いと考えられる澱粉の糊化状態の変化とそれが表面構造および物理特性に与える影響を解明することを目的とした.
【方法】標準的な中華麺を用い, 茹で前および一定時間 (10, 30, 60, 90, 120, 150 秒) 茹でた麺を試料とした. 各中華麺は茹でた後, 迅速に液体窒素で凍結させ, 凍結乾燥処理を行った. その後, 麺表面の赤外スペクトルを FT-IR/ATR で取得し, 1025 cm-1 付近のバンドのピーク高さから糊化状態を評価した. また, 茹で麺を直ちにクリープメータ2軸物性システムへ純水と共に配置し, 試料台を横方向に移動させることで平面型プランジャーにかかる摩擦荷重を測定した.
【結果】中華麺表面の澱粉糊化状態を示すバンドのピーク高さは茹で前において最低値を示した. 茹で10秒では約1.2倍と顕著に上昇し, 120秒まで横ばいであった. この結果より, 麺表面の澱粉は茹で開始僅か10秒までに糊化し, その後糊化した状態が維持されることが推察された. 麺表面の摩擦荷重は茹で前で最も高く, 茹で10秒にかけて100分の1程度に低減し, その後喫食時の150秒まで麺表面の摩擦荷重の変化はみられなかった. 以上の結果より, 中華麺表面のつるつる感は茹で開始10秒までに澱粉の糊化が進行し, 平坦な表面が形成されることで形成することが示唆された.