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[3La-04] 麹菌熟成チーズに適する新規なAspergillus属菌株の探索とその特性評価
キーワード:発酵食品、表面熟成チーズ、Aspergillus属麹菌、メタボローム解析
【目的】これまでに、伝統的な麹菌を活用した新規な表面カビ熟成チーズ「麹チーズ」を開発し1)、麹菌選抜株(KC43, KC41)がもたらす含有成分の特徴を明らかにした2)。本研究では、異なるスターター麹菌を用いることによって麹チーズに新たな特徴を付与することができると考え、さらなる熟成チーズ用麹菌株の探索を行った。
【方法】5菌株のスターター候補株(Aspergillus oryzae)を用いて熟成チーズを調製し、水溶性・揮発性成分のメタボローム解析、酵素活性測定、物性の測定等に供し、既存選抜株との比較を行った。
【結果】旨味に寄与する遊離アミノ酸はチーズ中プロテアーゼ活性に関連して一様に増加した一方、遊離脂肪酸、メチルケトン、2級アルコール、1-オクテン-3-オールなどの蓄積には大きな菌株間差が生じた。また、一部の候補株にはKC43とKC41にみられない化学的特徴が確認され、華やかな果実香に寄与する脂肪酸エチルエステルや、血中脂質・コレステロール低減作用が報告される3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸の顕著な蓄積が明らかとなった。また、チーズ組織の固さ(物性測定の最大応力値)にも菌株間の大きな差が認められ、KC43とKC41がやや固い組織を示したのに対して、一部の候補株では軟化の傾向がみられた。本研究により、麹チーズに新たな風味、テクスチャ―、付加価値をもたらす可能性のある、複数の新規熟成チーズ用麹菌株の選抜に至った。
1) 特開2021-129536、佐藤薫ら「麹菌による熟成チーズおよびその製造法」
2) Tomita et al. (2022). Food Research International, 158, 111535-111535.
【方法】5菌株のスターター候補株(Aspergillus oryzae)を用いて熟成チーズを調製し、水溶性・揮発性成分のメタボローム解析、酵素活性測定、物性の測定等に供し、既存選抜株との比較を行った。
【結果】旨味に寄与する遊離アミノ酸はチーズ中プロテアーゼ活性に関連して一様に増加した一方、遊離脂肪酸、メチルケトン、2級アルコール、1-オクテン-3-オールなどの蓄積には大きな菌株間差が生じた。また、一部の候補株にはKC43とKC41にみられない化学的特徴が確認され、華やかな果実香に寄与する脂肪酸エチルエステルや、血中脂質・コレステロール低減作用が報告される3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸の顕著な蓄積が明らかとなった。また、チーズ組織の固さ(物性測定の最大応力値)にも菌株間の大きな差が認められ、KC43とKC41がやや固い組織を示したのに対して、一部の候補株では軟化の傾向がみられた。本研究により、麹チーズに新たな風味、テクスチャ―、付加価値をもたらす可能性のある、複数の新規熟成チーズ用麹菌株の選抜に至った。
1) 特開2021-129536、佐藤薫ら「麹菌による熟成チーズおよびその製造法」
2) Tomita et al. (2022). Food Research International, 158, 111535-111535.