14:45 〜 15:00
[3Lp-02] 冷凍総菜における加熱加工ニンジンの物性の試験方法の確立と変性抑制方法の検討
キーワード:冷凍食品、ニンジン
【目的】 冷凍野菜は,冷凍することによるドリップ流出や軟化,スポンジ感の発生など品質の変化が報告されている.これら品質変化の抑制は重要な課題であるが,物性の客観的な数値化は未だ確立されていない.そこで本研究ではニンジンを試料とし,人による官能評価と機械測定による物性との間で高い相関を示す方法の確立を行うとともに,冷凍による変化の抑制を目的として予備加熱の効果を検討した.
【方法】 ニンジンを成型後,沸騰水浴にて3または5,7分茹でた後-30℃にて急速凍結し,ポリエチレン製の袋に入れ,加速劣化条件に設定した恒温冷凍庫(-20℃→-3℃→-20℃)または,家庭用冷凍庫(-18℃)で冷凍保管した.解凍は5℃にて行い,官能評価と物性測定は室温にて行った.試料の予備加熱は,上記茹で工程前に60℃,10分間加温しその後茹で工程に移行した.官能評価はドリップ感,スポンジ感,硬さを10段階の評点法にて試験し,統計処理は乱塊法を用いて各評価者の感覚の差異を平滑化した.物性測定はクリープメータ(山電社製)を用いドリップ感,スポンジ感はブレード(幅 5mm×厚さ 1mm)プランジャーにて破断試験,硬さは円柱(直径 5mm)プランジャーにてクリープ試験を行った.
【結果】 ドリップは破断試験によって歪率100%における離水量[%]をドリップ損失率として,官能評価との相関を検討した結果,相関係数0.61(p=6.1×10⁻⁴)となり,スポンジ感では破断歪率[%]と官能評価との間で,相関係数0.72(p=1.6×10⁻⁵)と共に正の相関を示した.硬さは官能評価と60秒の変形量[mm]との間に相関係数-0.79(p=2.0×10⁻³)と負の相関関係が得られ,測定方法を確立できた.また,硬さの軟化抑制法として茹で前に予備加熱を行ったところ,予備加熱なし試料と比べ,クリープ試験,官能評価ともに有意に軟化が抑制された.
【方法】 ニンジンを成型後,沸騰水浴にて3または5,7分茹でた後-30℃にて急速凍結し,ポリエチレン製の袋に入れ,加速劣化条件に設定した恒温冷凍庫(-20℃→-3℃→-20℃)または,家庭用冷凍庫(-18℃)で冷凍保管した.解凍は5℃にて行い,官能評価と物性測定は室温にて行った.試料の予備加熱は,上記茹で工程前に60℃,10分間加温しその後茹で工程に移行した.官能評価はドリップ感,スポンジ感,硬さを10段階の評点法にて試験し,統計処理は乱塊法を用いて各評価者の感覚の差異を平滑化した.物性測定はクリープメータ(山電社製)を用いドリップ感,スポンジ感はブレード(幅 5mm×厚さ 1mm)プランジャーにて破断試験,硬さは円柱(直径 5mm)プランジャーにてクリープ試験を行った.
【結果】 ドリップは破断試験によって歪率100%における離水量[%]をドリップ損失率として,官能評価との相関を検討した結果,相関係数0.61(p=6.1×10⁻⁴)となり,スポンジ感では破断歪率[%]と官能評価との間で,相関係数0.72(p=1.6×10⁻⁵)と共に正の相関を示した.硬さは官能評価と60秒の変形量[mm]との間に相関係数-0.79(p=2.0×10⁻³)と負の相関関係が得られ,測定方法を確立できた.また,硬さの軟化抑制法として茹で前に予備加熱を行ったところ,予備加熱なし試料と比べ,クリープ試験,官能評価ともに有意に軟化が抑制された.