09:00 〜 09:15
[3Na-01] 水分補給調整食開発のための官能評価系構築
キーワード:官能評価、嚥下調製食、ペクチン、リセットゲル、とろみ溶液
【目的】摂食・嚥下障害の臨床現場では水分補給向け調整食(以下,調整食)として「ゼリー」や「とろみ剤」が使用されている.近年その中間的な特徴をもつペクチンゼリー(リセットゲル®) が用いられるようになっており,リセットゲル®は摂食・嚥下困難者での臨床試験にてゼリーやとろみ剤と異なる嚥下動態が示されている[1] .一方で製品開発段階ではサンプル評価を臨床で行うことができないため,開発者(摂食・嚥下健常者)が製品比較を実施できるツールが必要である.そこで本研究では調整食の物性を,開発者が評価できるようにすることを目的とし,官能評価系を構築した.併せて構築した評価系を用いて市販調整食を比較し,リセットゲル®の特徴を抽出した.
【方法】論文および専門書等から評価用語を収集し,得られた25語を候補用語とした.次に12品の市販調整食を試料として言葉だしを行い,候補用語と併せて類義語等の整理を開発者により行った.整理した用語を3つの摂食動作(舌の上にのせる/舌でつぶす/飲み込む)に分類したのち定義づけをし,16品の市販調整食を7名の分析型パネルで仮評価した.相関関係のあった用語を集約し最終的に8つの評価用語を選定した上で ,17品の市販調整食を12名の分析型パネルで評価した.
【結果】評価用語は,広がり,やわらかさ,弾力,ジューシー,粒感,まとまり,残留感(口腔),被膜感(咽頭) ,の8つが選定された. 17品の評価結果をクラスター解析すると,計5つのクラスターに分けられ、3つは主にゼリーの市販品が分類された.残り2つは各々とろみ剤とリセットゲル®が含まれていた。とろみ剤群とリセットゲル群は,ゼリー群と比べて「やわらかさ」のスコアが高く,リセットゲル群はとろみ剤群と比べて「まとまり」のスコアが高い結果であった.
[1] Hino et al., J Oral Rehabil. 2024(in press)
【方法】論文および専門書等から評価用語を収集し,得られた25語を候補用語とした.次に12品の市販調整食を試料として言葉だしを行い,候補用語と併せて類義語等の整理を開発者により行った.整理した用語を3つの摂食動作(舌の上にのせる/舌でつぶす/飲み込む)に分類したのち定義づけをし,16品の市販調整食を7名の分析型パネルで仮評価した.相関関係のあった用語を集約し最終的に8つの評価用語を選定した上で ,17品の市販調整食を12名の分析型パネルで評価した.
【結果】評価用語は,広がり,やわらかさ,弾力,ジューシー,粒感,まとまり,残留感(口腔),被膜感(咽頭) ,の8つが選定された. 17品の評価結果をクラスター解析すると,計5つのクラスターに分けられ、3つは主にゼリーの市販品が分類された.残り2つは各々とろみ剤とリセットゲル®が含まれていた。とろみ剤群とリセットゲル群は,ゼリー群と比べて「やわらかさ」のスコアが高く,リセットゲル群はとろみ剤群と比べて「まとまり」のスコアが高い結果であった.
[1] Hino et al., J Oral Rehabil. 2024(in press)