9:45 AM - 10:00 AM
[3Na-04] Texture evaluation of concentrated solid-liquid dispersion systems using dynamic viscoelasticity.
Keywords:Food texture, Mastication and swallowing, Mastication function
【目的】固体食品は口腔内に入ると咀嚼・破砕されると同時に唾液中に分散して,濃厚固液分散系が形成される。濃厚固液分散系のレオロジー特性の体系化が十分ではないため,その力学的特性を適切に評価する方法論は未だに確立されていない。そこで本研究では濃厚固液分散系の動的粘弾性に着目し,内部構造との相関について実験的に検討した。
【方法】市販の固体食品(26品目)を固相素材として選んだ。固相素材を10 mm角の立方体に成形し,クリープメーターRE2-3305s(㈱山電)を使用して10 mm角のプランジャーで圧縮速度1 mm/sで圧縮測定を行った。得られた応力-ひずみ曲線からヤング率および破断エネルギーを求めた。濃厚固液分散系試料は,固相素材を篩(東京スクリーン㈱)により破砕し,純水を用いて加水調節して調製した。調製した濃厚固液分散系試料の貯蔵弾性率G'と損失弾性率G''をレオログラフゾル(㈱東洋精機)を用いて25 ℃で測定した。併せて,篩により破砕した破砕物を純水に分散させ,実体顕微鏡(㈱島津理化)で撮影した画像から粒子径分布を測定した。
【結果】濃厚固液分散系のG''について,固相重量分率Wに関する濃度依存性をべき乗則を用いて解析した。
G''=Ks・Wm (Ksは比例係数,mは非線形性指数)
G''がべき乗則によって良好に記述されたことから, Ksが食塊流動性,mが唾液崩壊性の指標となると考えられた。日本語テクスチャー用語体系に基づいて各固体食品に特徴的なテクスチャー用語を抽出したところ,m<1となった食品に対して「パサパサ」が選ばれる傾向が認められた。さらに,Ksが分散粒子サイズにそれほど依存しなかったことから食塊流動性は固相素材の物性の影響が大きいと考えられた。また,咀嚼崩壊性は,破砕に伴う界面面積の増加分と破断エネルギーから見積もられた破壊界面エネルギー係数によって数値化できる可能性が示唆された。
【方法】市販の固体食品(26品目)を固相素材として選んだ。固相素材を10 mm角の立方体に成形し,クリープメーターRE2-3305s(㈱山電)を使用して10 mm角のプランジャーで圧縮速度1 mm/sで圧縮測定を行った。得られた応力-ひずみ曲線からヤング率および破断エネルギーを求めた。濃厚固液分散系試料は,固相素材を篩(東京スクリーン㈱)により破砕し,純水を用いて加水調節して調製した。調製した濃厚固液分散系試料の貯蔵弾性率G'と損失弾性率G''をレオログラフゾル(㈱東洋精機)を用いて25 ℃で測定した。併せて,篩により破砕した破砕物を純水に分散させ,実体顕微鏡(㈱島津理化)で撮影した画像から粒子径分布を測定した。
【結果】濃厚固液分散系のG''について,固相重量分率Wに関する濃度依存性をべき乗則を用いて解析した。
G''=Ks・Wm (Ksは比例係数,mは非線形性指数)
G''がべき乗則によって良好に記述されたことから, Ksが食塊流動性,mが唾液崩壊性の指標となると考えられた。日本語テクスチャー用語体系に基づいて各固体食品に特徴的なテクスチャー用語を抽出したところ,m<1となった食品に対して「パサパサ」が選ばれる傾向が認められた。さらに,Ksが分散粒子サイズにそれほど依存しなかったことから食塊流動性は固相素材の物性の影響が大きいと考えられた。また,咀嚼崩壊性は,破砕に伴う界面面積の増加分と破断エネルギーから見積もられた破壊界面エネルギー係数によって数値化できる可能性が示唆された。