第27回画像センシングシンポジウム

オーガナイズドセッション

実応用から基礎まで画像センシングの新しい応用&技術革新について期待が高まるテーマを選りすぐり、講師の方々にご講演いただきます
 
SDGsを実現するセンシング技術
 
OS1
〜 海と都市とエネルギーを持続させるために 〜​
6/9 (水) 16:30~18:00 メイン会場

オーガナイザー:
大西 正輝 氏(産業技術総合研究所)

概要:世界から貧困をなくし、持続可能な社会・経済・環境を作り出すための目標として Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標:SDGs)が国連で策定された。2030年を期限とする17のゴールの中から、「ゴール14:海の豊かさを守ろう」、「ゴール11:住み続けられるまちづくりを」、「ゴール7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を中心として本オーガナイズドセッションでは SDGsを実現するための画像を含むセンシング技術について議論する。

講演

水産養殖 x IoT・AI ~持続可能な水産養殖を実現するセンシング/解析技術~

登壇者:高橋 康輔 氏(ウミトロン株式会社)

概要:水産養殖業は、人口増加に伴うタンパク質不足,乱獲による海洋資源の減少・生態系の破壊といった社会問題に対する解決策として現在世界的に大きな注目を集めている。省力化・効率化が求められる水産養殖を持続可能とするため、昨今ではIoT・AIを活用した養殖活動のデータ化・最適化の取り組みが始まっている。本講演では、養殖業が抱える課題を俯瞰し、それらを解決するデータのセンシング方法およびコンピュータビジョンを始めとする解析技術について弊社の事例を交えながら紹介する。

 

まち全体のインフラや人流をサステナブルに計測する

登壇者:関本 義秀 氏(東京大学)​​

概要:近年、スマートシティなどの取組の一環で、カメラを始めとする様々なセンサーにより、技術的には人の流動やインフラの状況などが計測できるようになってきている。一方でサステナビリティ、SDGsの観点からもその計測のための費用やエネルギーに対して、どれだけの効果があるか、計測に見合う効果、あるいは効果に見合う範囲の計測という点も重要になってきている。本講演ではそのあたりを概観する。

 

エネルギーの情報化:需要家主体の分散協調型電力マネージメント

登壇者:加藤 丈和 氏(京都橘大学)​

概要:電力エネルギーマネージメントは、従来から需要家は自由に電力を使用し、中央で集中的にマネージメントを行う中央集中型のマネージメントが行われてきた。しかし、最大需要に合わせた整備投資や、再生可能エネルギーなどの変動電源の導入限界などの問題がある。このような問題を解決するためのIoTやAI技術を用いた「スマートマネージメント」の実施例や、講演者等が提唱する需要家が主体的に電力マネージメントしながら、互いに協調連携する「エネルギーの情報化」の概念について紹介する。

 


OS2
続・限られたデータからの深層学習
6/10 (木) 11:00~12:30 メイン会場

オーガナイザー:
中山 英樹 氏(東京大学)​

概要:深層学習は既に画像解析における中核技術となっているが、大量の教師付きデータを必要とすることが実応用上の障壁となりやすい。本セッションでは昨年に引き続き、少量のデータから高精度なニューラルネットワークを学習する手法を紹介する。具体的には、転移学習・データ拡張・自己教師付き学習などの先端的な技術について、それぞれ第一線で活躍している講師に解説を頂き、基礎理論から画像分野への応用まで俯瞰すると共に、産業展開へ向けた議論を深めたい。

講演

転移学習の基礎:異なるタスクの知識を利用するための機械学習の方法

登壇者:松井 孝太 氏(名古屋大学)

概要:転移学習とは、解きたいタスクに対して、それと異なるが似ている他のタスクからの知識(データ、特徴、モデルなど)を利用するための方法を与える機械学習のフレームワークです。深層モデルの学習方法として広く普及している事前学習モデルの利用は、この広義の転移学習の一つの実現形態とみなせます。本発表では、まず何をいつ転移するのか (what/when to transfer) といった転移学習の基本概念と定式化を説明し、具体的な転移学習の主要なアプローチとしてドメイン適応、メタ学習について解説します。

 

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深層学習におけるデータ拡張の原理と最新動向

登壇者1:中山 英樹 氏(東京大学)
登壇者2:幡谷 龍一郎 氏(東京大学)

概要:データ拡張は画像認識の精度向上テクニックとして古くから用いられてきたが、最新の深層学習においても最重要技術の一つとして年々注目を集めており、多様かつ複雑な進化を遂げている。その成功のカギは、タスクに関する先見知識を活用しながら、如何にして汎化性能を高めるように訓練画像を変換あるいは生成するかにある。本講演では、データ拡張の原理や最新動向について解説すると共に、自動的なデータ拡張に関する講演者の研究事例についても紹介する。

 

自己教師あり学習における対照学習の基礎と応用

登壇者:Xueting Wang 氏
(株式会社サイバーエージェント)​

概要:自己教師あり学習は、データ自身から用意した教師を用いてデータの表現を学習することで、人間のアノテーション作業の負担を大きく削減可能という高い実用性を持つ。その中でも、特に近年では対照学習(Contrastive Learning)と呼ばれる技術は、教師あり学習に匹敵、あるいはそれ以上の性能を示すことで注目されている。本講演では、講演者の研究事例に基づき、対照学習の原理や応用について紹介する。

 


広域環境の3D計測と認識
 
OS3
〜 人が活動する場のセンシングとモデル化 〜​
6/11 (金) 11:00~12:30 メイン会場

オーガナイザー:
増田 宏 氏(電気通信大学)​​

概要:レーザスキャナを用いた3次元計測により、広域環境の3D情報を大規模な点群データとして取得できるようになりました。この技術は、人が活動する場、たとえば、生産現場、インフラ設備、交通網、都市、森林などの非常に広い分野において、現況把握、保全、進捗管理などの業務支援に活用できます。本セッションでは、この分野の第一人者を講師としてお招きし、広域環境の3D計測とモデル化について、技術と応用の両面から最新動向についてご講演いただきます。また、本分野の今後の展望についても議論したいと思います。

講演

設備や環境の高品質計測点群取得と自動モデル化技術

登壇者:伊達 宏昭 氏(北海道大学)

概要:レーザスキャナやSfM-MVSを用いた3次元計測・再構成技術が、人が活動する環境や大型設備の維持管理、各種シミュレーションに活用されてきています。本発表では、プラントや橋梁、屋内や市街地環境を対象とし、3次元計測・再構成技術のより確実かつ高度な活用を目指した、(1)高品質な計測点群を取得するための計測作業支援、(2)計測点群の迅速位置合わせ、ならびに(3)計測点群からの自動モデル化の、各技術開発の取り組みをご紹介します。

 

BIM/CIMにおいて安価に点群を取得する目的とその利活用

登壇者:中川 雅史 氏(芝浦工業大学)​​

概要:建設分野における点群と画像の利活用に関して、BIM/CIMにおける課題に触れていきます。今回は、「先端技術を安価に利用する」とはどういうことか? 「i-Construction,IoT,AI」はなぜ必要か? 「廉価な3D計測システム」の位置づけとは? これらを3軸にとり、UAV/ドローンを用いた点群取得やICT建機で取得した点群からの動体認識の紹介をとおして、i-ConstructionやBIM/CIMにおける点群と画像の利用に関する特徴や課題の理解を深めていきます。

 

画像と点群を用いた、森林という広域空間のゾーニングと施業管理

登壇者:中村 裕幸 氏(株式会社woodinfo)​

概要:平成31年4月より森林経営管理制度が開始され、日本国土の約7割を占める森林に対し、第三者による伐採や保全等の施業代行が可能となった。施業地の適否、優先度、時期等を決定するため客観的な森林情報の生成が必要となった。ゾーニング及び施業管理のため、衛星やUAV、地上レーザによる空撮画像や点群を用い森林情報を生成し、森林経営管理制度の支援システムを構築し実施している。実施例と今後の課題を述べる。

 


画像センシング展でのパブリックビューイング

SSIIの併設展示会である画像センシング展(入場無料)は、例年通りパシフィコ横浜展示ホールで開催いたします。画像センシング展の会場で、SSIIオーガナイズドセッションの講演については、パブリックビューイングを実施いたします(参加費無料)。パブリックビューイングのスケジュールは、以下となります。
 
   6月9日(水)   6月10日(木)   6月11日(金) 
10:30~12:00 なし OS1  OS1 
12:00~13:30 なし OS2  OS2 
13:30~15:00  なし  OS1  OS3 
 15:00~16:30   なし  OS2 OS3