日本畜産学会第128回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表3

2021年3月28日(日) 09:00 〜 10:45 ライブ配信

座長:川島 知之(宮崎大学農)、美川 智(農研機構生物機能利用研究部門)、野村 将(農研機構畜産研)、若松 純一(北海道大学)

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パスコード:328298

10:15 〜 10:30

[IIIYS-06] 食肉における加熱香気成分DMHFの生成と生成要因の解明

〇横山 壱成1、大畑 素子2、小宮 佑介1、長竿 淳1、有原 圭三1 (1.北里大獣、2.日大生資科)

【目的】食肉の加熱時にはメイラード反応が起こり、食欲をそそる香りが生成する。メイラード反応で生成する香気成分のひとつに、甘くカラメル様の2,5-dimethyl-4-hydroxy-3(2H)-furanone(DMHF)がある。DMHFは、食品の嗜好性に影響し、食肉では牛肉の加熱香気中に検出される。しかし、DMHF生成量を畜種や部位間で比較した例はこれまで報告されていない。本研究では、食肉加熱時のDMHF生成量を畜種や部位間で比較するとともに、その生成要因についても検討した。
【方法】市販の黒毛和牛、豪州産牛、豚、鶏肉(モモ、ロースまたはムネ)を用いて、230℃で片面1分40秒ずつ両面加熱した。肉中の香気成分画分を溶媒抽出法にて回収し、GC/MS分析を行った。また、肉中のメイラード反応基質であるアミノ酸およびグルコース含量を測定した。さらに、還元糖あるいはアミノ酸を食肉に添加し、加熱後、DMHF生成量を測定した。
【結果】モモ肉におけるDMHF生成量は、黒毛和牛で最も多く、次いで豪州産牛、豚、鶏と続いた。また、部位間でもDMHF生成量の違いが認められた。モモではDMHF生成量とグルコース含量に関連がみられ、実際に食肉へのグルコース添加により、加熱時のDMHF生成量が大きく増加した。以上より、DMHF生成量は畜種や部位で異なり、この要因のひとつに肉中のグルコース含量が挙げられる。