日本畜産学会第128回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表1

2021年3月28日(日) 09:00 〜 11:00 ライブ配信

座長:福森 理加(酪農学園大学)、舟場 正幸(京都大学)、勝俣 昌也(麻布大獣医)、西田 武弘(帯広畜産大学畜産)

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パスコード:328942

10:00 〜 10:15

[IYS-05] バタリーケージおよび平飼いの生産方式の違いによる鶏卵の遊離アミノ酸成分への影響

〇川村 野乃花1、横山 領央2、高谷 政宏1,3、大野 涼子1、後藤 達彦1 (1.帯畜大畜産、2.(株)ホクリヨウ、3.十勝財団)

採卵鶏の飼育方法は、先進国でバタリーケージが廃止され、平飼いなどのアニマルウェルフェアを考慮した飼育方法が広がっている。しかし、平飼いは生産効率が悪いと報告されている。平飼い卵の高付加価値化の目的で、これまでに脂肪酸やビタミンなどの研究が行われてきたが、重要な成分の一つである遊離アミノ酸への影響は未解明である。そこで本研究では、バタリーケージと平飼いで得られた卵の遊離アミノ酸含有量の比較を行うことを目的とした。ボリスブラウンをそれぞれバタリーケージと平飼いで飼育し、産卵後期に得られた各20個の鶏卵の卵形質ならびに卵黄および卵白遊離アミノ酸含有量を測定し、一元配置分散分析を行った。その結果、卵黄では19種のアミノ酸が検出され、そのうち16種で有意差があり、15種のアミノ酸において平飼いが高値を示した。卵白では20種のアミノ酸が検出され、そのうち14種で有意差があり、9種のアミノ酸において平飼いが高い値となった。この結果から、飼育方法が卵の遊離アミノ酸に影響を与えるということが初めて示唆された。世界の採卵鶏産業では一般的に、産卵ステージが進むにつれ飼料のCP含量を段階的に下げる取り組みがバタリーケージにおいて行われている。そのため、今後、産卵初期および中期の卵成分の比較を行うことで、飼育方法が、それぞれの産卵ステージの卵にどのような影響をおよぼすか評価したい。