日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-21] 一乳期高栄養飼養における初産分娩後体重が初産次の乳生産性に及ぼす影響

〇谷川 珠子1、堂腰 顕1 (1.道総研酪農試)

【目的】初産牛が摂取した飼料養分は維持・産乳に加え、分娩時の成長程度に応じて成長に分配される。日畜第122回大会において、分娩後体重が600kg未満の初産牛は、泌乳後期に飼料の養分濃度を下げない一乳期高栄養飼養が適することを示した。本試験では、分娩後体重が大きい初産牛における一乳期高栄養飼養の効果を検討した。

【方法】対照区は分娩~分娩後150日目は泌乳前期用TMR(TDN74%、CP16%)、それ以降は後期用TMR(TDN69%、CP14%)を給与した。試験区は分娩から乾乳まで泌乳前期用TMRを給与した。ホルスタイン種初産牛34頭(分娩月齢23.7±1.3ヶ月、体重596±26kg)を、対照区に18頭(体重550~599kg:9頭、600~649kg:9頭)、試験区に16頭(体重550~599kg:8頭、600~649kg:8頭)割り当てた。

【結果】305日乳脂補正乳量は、対照区の体重550~599kgで7,296kg、600~649kgで7,780kg、試験区はそれぞれ8,388kg、8,470kgであり、試験区で高かった(p<0.05)。分娩後150日以降の日増体量は、体重550~599kgでは試験区が高いが(p<0.05)、600~649kgでは区間に差がなかった。分娩後体重600kg以上では、一乳期高栄養飼養が日増体量に及ぼす影響は小さいが、乳量は増加することが示された。