日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-39] わかめ茎部の添加が濃厚飼料基質条件下のin vitro第一胃発酵特性に及ぼす影響

〇石田 顕也1、田島 栞1、紺野 琢磨2、坪井 誠2、大石 風人1、広岡 博之1、熊谷 元1 (1.京大院農、2.リファインホールディングス)

<目的>わかめの収穫残渣である茎部の多くは廃棄されている。わかめ茎部の添加が第一胃発酵特性に及ぼす影響を、濃厚飼料多給条件を想定したin vitro培養試験で評価した。<方法>ライグラスストローと濃厚飼料を40:60で給与した去勢緬羊3頭からルーメン液を採取、混合し、人工唾液と1:4で混合して培養液を作製した。培養液40mlに対し0.5g乾物量の圧ペン大麦を基質として、基質のみの対照区(C区)およびわかめ茎部(乾物中CP5.2%、EE0.8%、NDF15.5%、Ash61.1%)を乾燥・粉砕処理し、基質の0.5、1.0および2.0%乾物量を添加した区(凍結乾燥物添加区はそれぞれFL、FM、FH区、60℃での通風乾燥物添加区はそれぞれOL、OM、OH区)を設定し、39℃で48時間 in vitro培養した。<結果>ガス産生量はC区とOM区以外の各添加区との間に有意差はなく、添加水準および乾燥方法の効果も認められなかった。また乾物・有機物消化率、総VFA濃度について、添加水準および乾燥方法の効果は認められなかった。一方メタン産生量はFL区以外の添加区はC区と比べ低く、H区がL区およびM区よりも低かった(P<0.05)。以上より、濃厚飼料基質のin vitro条件下でわかめ茎部を2.0%乾物量添加することにより、消化率やガス産生量を低下させずにメタン産生量を低減させることが示唆された。