日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-06] 黒毛和種における食味関連遺伝子と牛肉中理化学分析値および枝肉形質との関連調査

〇笹子 奈々恵1、竹田 将悠規1、内山 勝雄1、尾花 尚明1、井上 慶一1、小島 孝敏1 (1.家畜改良セ)

我々のグループはこれまでに牛肉中のイノシン酸含量に関連するNT5E遺伝子内のSNPおよびタウリン含量に関連するSLC6A6遺伝子内のSNPを特定した。本研究では、①各SNP遺伝子型と理化学分析値(一般成分、アミノ酸、核酸関連物質)との関連、②各SNP遺伝子型の枝肉形質への影響について調査した。①では、家畜改良センターで肥育され、理化学分析値を持つ黒毛和種111頭を用いた。②では、家畜改良センター十勝、奥羽および鳥取牧場で肥育され、枝肉成績を持つ黒毛和種1,461頭を用いた。①、②ともに血液からDNAを抽出し、NT5E遺伝子型およびSLC6A6遺伝子型をTaqManプローブ法により判定した。①ではTukeyの多重比較検定を、②ではQxPakソフトウェアの混合モデルを用いて関連解析を行った。NT5E遺伝子型がQQ(優良ホモ)型である個体のイノシン酸含量およびうま味強度は、Qq(ヘテロ)型およびqq(非優良ホモ)型より有意に高かった(P<0.001)。タウリン含量は、SLC6A6遺伝子型がQQ型、Qq型、qq型の順に有意に高かった(P<0.05)。両SNP遺伝子型の枝肉形質(枝肉重量、ロース芯面積、バラの厚さ、皮下脂肪厚およびBMS)への影響は認められなかった。以上のことから、NT5EおよびSLC6A6遺伝子型は枝肉形質に影響を及ぼさない食味改良マーカーとして活用できることが示唆された。