日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-20] ゲノミック評価法による豚の繁殖形質の育種価推定精度および遺伝的改良量

〇西尾 元秀1、石井 和雄1、岡村 俊宏1、高橋 弘2、佐藤 正寛3、佐々木 修1 (1.農研機構畜産部門、2.グローバルピッグファーム、3.東北大院農)

【目的】ゲノミック評価法による豚の繁殖形質の育種価推定精度および遺伝的改良量について検討した。【方法】グローバルピッグファームで飼育されているランドレース種および大ヨークシャー種の種雌豚1,684頭について、生存産子数と離乳時一腹体重および35,219個の一塩基多型(SNP)マーカー情報を収集した。従来の評価法として個体間の関係に血統情報のみを利用するBLUP法と、ゲノミック評価法としてSNP情報のみを利用するGBLUP法およびSNP情報と血統情報を同時に考慮するssGBLUP法を比較した。BLUP法およびssGBLUP法では14,252頭を、GBLUP法ではSNP情報を持つ1,511頭を訓練群とし、SNP情報を持つ直近の173頭を予測群とした。評価法ごとに、予測群における推定育種価と母数効果補正済み表型値との相関係数を遺伝率の平方根で除したものを遺伝的能力の推定精度とした。【結果】生存産子数および離乳時一腹体重では、GBLUP法およびssGBLUP法の育種価推定精度が優れており、BLUP法よりもそれぞれ15%および1%上昇した。ゲノミック評価法による生存産子数および離乳時一腹体重の遺伝的改良量は、BLUP法に比べて年あたり最大で0.11頭および0.63kg向上する。