日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-27] イエネコにおける遺伝性疾患に関連する遺伝子変異と近傍の新規変異の探索

〇大木 駿1、赤司 亜弥子1、荒堀 みのり1、鯉沼 恭子1、石原 玄基1、松本 悠貴1 (1.アニコム先進医療研)

【目的】特定のイエネコの品種に頻発する疾患とその遺伝性に関するこれまでの研究から、数多くの遺伝子変異が疾患に関与することが明らかにされている。こうした遺伝子変異に関する知見をもとに、本研究では、肥大型心筋症、ピルビン酸キナーゼ欠損症、および多発性嚢胞腎の3つの疾患に関連する遺伝子に注目し、国内のイエネコ集団における当該遺伝子変異の検出、及びその保持率を明らかにすることを目的とした。【方法】17品種859頭を対象に、上記3つの疾患に関連する遺伝子(MYBPC3、PKLR、PKD1)の周辺配列を増幅するカスタム遺伝子パネルを用いて、Ion GeneStudio S5によるシーケンスとTorrent Serverによる解析を行った。得られたゲノム配列情報から、既知の原因変異に加え、その変異の近傍に存在する未同定の変異の有無とその頻度を品種ごとに集計した。【結果】MYBPC3では、関連が報告されている肥大型心筋症の好発品種であるラグドールやメインクーンにおいて、原因変異の頻度が高かった。また、この変異の近傍には新規の変異も確認された。【考察】800を超える多数の個体を対象に、疾患に関連する遺伝子の周辺配列を網羅的に調べることで、既知の変異だけでなく、未同定であった変異が同定できることが示された。今後、これらの変異の遺伝子発現や疾患への影響を調べる必要がある。