日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-03] 老齢産卵鶏におけるプロバイオティクスがミネラルおよび骨代謝へ及ぼす影響

〇山田 将慶1、西山 東希2、芦田 延久2、宇都宮 昌亀3、坂本 恭一3、杉山 稔恵4 (1.新潟大院自然科学、2.アサヒバイオサイクル(株)、3.愛媛県養鶏研、4.新潟大農)

【目的】卵殻質の改善を目的とし、強制換羽のための絶食期間の前後もしくは絶食期間中におけるプロバイオティクス給与が、老齢産卵鶏のミネラルおよび骨代謝に及ぼす影響について検討した。【材料および方法】産卵鶏について、800日齢まで飼養し採材をおこなった。すべての産卵鶏は、464から473日齢の10日間に給水のみの強制換羽処理を実施し、飼養期間中に通常飼料のみを給与したものを対照区(C区)とし、絶食期間中に飲水投与(CL区)、通常飼料に添加(B区)、あるいは飲水および飼料の両方に添加(BL区)してプロバイオティクスを給与した。採取した左大腿骨については、パラフィン切片を作製し、骨髄骨の組織化学的観察を行い、右大腿骨についてはµCTによる骨構造解析を行った。腸管と腎臓については、リアルタイムPCRによりCaBPとNaPi-II mRNAの相対的発現量を計測した。【結果】C区の大腿骨では、骨梁が太く、石灰化している骨髄骨が蓄積していた。また、プロバイオティクス給与したB区において、空腸におけるCaBPとNaPi-IIb、腎臓におけるCaBPの相対的なmRNA発現量がC区と比較して高かった。同様に、BL区の空腸におけるCaBPのmRNA発現量が高かった。以上のことから、老齢産卵鶏におけるプロバイオティクス給与はカルシウム、リンおよび骨代謝を改善し、産卵率や卵殻質の改善に有効であることが示唆された。