[P4-23] 生後初期における母仔隔離がICRマウス乳腺の形態学的発達に及ぼす影響
【目的】生後初期のストレスは、ヒトを含めた多くの動物の内分泌機能を変化させる。乳腺の形態学的・機能的発達は、ホルモンをはじめとする様々な物質により内分泌的に支配されているため、生後初期のストレスに起因する内分泌機能の変化は乳腺の発達に影響を及ぼすと示唆される。本研究では、生後初期の母仔隔離(maternal separation:MS)がマウス乳腺の形態学的発達に及ぼす影響について調べた。【方法】妊娠ICRマウスを導入し、分娩を確認した日を生後0日目とした。生後2日目より1日当たり3時間母親と隔離する操作を14日間行った。隔離操作を行わない乳仔を対照群(control reared:CR)とした。両群とも生後21日目で離乳し通常飼育した。その後、春機発動後として生後44から49日齢、性成熟後として生後89から93日齢において膣スメア法により発情休止期を呈したメスマウスより左側第4乳腺を採取した。採取した乳腺は定法によりホールマウント標本を作製し、主乳管1 mm当たりの分岐数、ならびにterminal end bud(TEB)数を解析した。【結果】春機発動後の主乳管1 mm当たりの分岐数は、CR群と比較してMS群において有意に増加した。また、MS群のTEB数は増加傾向を示したものの有意な差は認められなかった。一方、性成熟後においていずれの解析項目についてMSの影響は認められなかった。