日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-30] 代用乳多給が黒毛和種雌仔牛の繁殖成績および血液性状に及ぼす影響

〇田口 佑充1、稲生 雄大1、早崎 幸輝2、前田 典之2、勘米良 善郎2、山崎 征二3、太田 昇4、武川 健司4、坪井 亜里沙5、宮本 浩邦6、衛藤 哲次1、塩塚 雄二1、藤野 亮一1、古瀬 充弘1、髙橋 秀之1 (1.九大院農、2.みらいグローバルファーム、3.伊藤ハム、4.日本農産工業、5.理研CSRS、6.千葉大院園芸)

代用乳多給は仔牛の発育を向上させ、初産月齢を早期化できる可能性がある。本研究は、黒毛和種雌仔牛の哺育期における代用乳給与量の違いが繁殖成績および血液性状に及ぼす影響を検討した。黒毛和種雌仔牛51頭を供試し1日最大9Lの代用乳を60日間給与する9L*60d区(n=18)、41日間給与する9L*41d区(n=15)、並びに最大7Lを40日間給与する7L*40d区(n=18)の計3区の多給区を設け、90日齢まで哺乳させた。10か月齢時に体重270 kg以上、体高116 cm以上を条件として人工授精(AI)を行った。採血は3か月齢、5か月齢および10か月齢時に行った。全区で7割以上の仔牛が10か月齢時に体格の条件を満たし、初産月齢は平均22.1か月齢であった。一方9L*60d区は11~13か月齢で妊娠を確認した割合が少なく、初回AIから妊娠までの日数が長い傾向にあった。9L*60d区は7L*40d区と比較し、60日齢の血漿グルコース、総蛋白および総コレステロール濃度、並びに150日齢の血漿IGF-1濃度が低かったが、60日齢の血漿NEFA濃度は高かった。以上の結果から、代用乳多給による初産月齢の早期化は可能であるが、一定水準以上の給与は栄養素代謝を変化させ妊娠を遅らせることが示唆された。