日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-37] 母めん羊への給与タンパク質レベルと成長後産子のインスリンおよび糖負荷試験における反応性との関係

〇松崎 正敏1、門倉 拓明1、赤坂 雪精1、土岐 鈴夏1、房 家シン1 (1.弘前大農生)

【目的】初期成長期の栄養条件が成長後の糖代謝に関わる生理特性に及ぼす影響を明らかにするため、母めん羊の妊娠末期と哺乳中の給与タンパク質レベルが産子の成長および成長後のインスリンおよび糖負荷試験における反応性に及ぼす影響を調べた。【方法】同一種雄畜との交配で妊娠したサフォーク種経産雌めん羊の妊娠末期5週間以上と哺乳中に給与する配合飼料のCP含量を2水準(H区22%ないしL区11%)として、胎子期および哺育期のタンパク栄養レベルの異なる4試験区(HH区、HL区、LH区、LL区)を設けた。8週齢で離乳した産子は、体重比で2%の配合飼料と1%のアルファルファミールおよびチモシー乾草の給与で20週齢まで飼育した。20週齢時にインスリン(0.1U/kg体重)とグルコース(0.25g/kg体重)の静注負荷試験を実施した。【結果】妊娠末期および哺乳中の給与タンパク質レベルの違いによる産子の生時体重やその後の増体への影響はみられず、生時体重の大きい個体がその後の増体も大きかった。インスリン負荷試験における血漿中のグルコースの低下とグルコース負荷試験時のグルコースとインスリン上昇の反応性を、血漿中濃度の反応面積(AUC)を求めて比較したところ、一部に性差が認められたものの、母めん羊の栄養制御による影響はなかった。めん羊初期成長期のタンパク栄養制御は増体や生理特性に大きな影響はないものと考えられた。