日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-40] ロイシンジペプチドがマウス骨格筋再生に及ぼす影響

〇足立 優斗1、有原 圭三1、小宮 佑介1 (1.北里大獣)

【目的】筋損傷時の抗酸化関連因子の減弱は、筋再生を遅延させる。このことから、筋損傷による過剰な活性酸素種(ROS)は筋再生を遅延させており、その抑制により筋再生を促進できると考えた。我々はリジン-ロイシンジペプチド(Lys-Leu)の抗酸化作用を見出している。本研究では、Lys-Leuが骨格筋再生に及ぼす影響を検討した。
【方法】8週齢のC57BL/6J雄性マウスを使用した。10μMカルディオトキシン(CTX)を前脛骨筋(TA)に注入し、筋損傷を誘導し、100 mg/kg体重のLys-Leuを毎日経口投与した。筋損傷処置から2、4、8、15日後にと殺し、TAを摘出した。凍結切片を作製し、HE染色、ROSの評価としてジヒドロエチジウム(DHE)染色、筋再生マーカーであるミオシン重鎖(MyHC)染色を行った。
【結果および考察】HE染色:中心核を有する再生筋線維数では両群に有意差はなかった。DHE染色:4日目を除き対照群よりもLys-Leu群で蛍光強度の有意な低下が確認された。このことから、Lys-Leu投与により筋再生中のスーパーオキサイドが抑制されることが示唆された。MyHC染色:8、15日目でMyHC陽性筋線維が観察され、Lys-Leu群で陽性細胞数が多い傾向にあった。以上より、筋再生時のLys-Leuの投与はROSの抑制により筋再生を促進する可能性を見出した。