[P5-03] 樹状細胞で免疫刺激能を選抜した乳酸菌の腸管Treg誘導能の検討
【目的】Tregは抗炎症作用を担う重要なT細胞として知られる。乳酸菌の中にはTregを誘導する菌も存在するが、試験管試験でTreg誘導能を持つ乳酸菌を効率的に選抜する方法はない。本研究では、T細胞を分化させる役割を持つ樹状細胞を用いて乳酸菌を評価し、選抜した乳酸菌の腸管Treg誘導能を調べ、樹状細胞がTreg誘導性乳酸菌の簡易選抜に有効か検討した。【方法】様々な分離源より得られた乳酸菌20菌株(死菌体)について、C57BL/6の骨髄より分化誘導した骨髄由来樹状細胞を用いて評価を行なった。評価はサイトカイン産生量や表面マーカ発現誘導能で評価した。免疫刺激性の高低で3菌株を選抜し、これらを抗生物質により無菌化処理を行ったマウスに4週間連続投与し、最終日に大腸粘膜固有層中のTregを測定した。【結果】樹状細胞での評価では、免疫刺激性の強弱は認められたもののサイトカインや表面抗原の発現パターンに大きな違いは認められなかった。この中から高・中・低刺激性の3株を選びTreg誘導能を検討したところ、刺激性が中程度のものがTregを誘導したが他の2株では誘導能が認められなかった。骨髄由来樹状細胞での評価を一般化するには供試菌株数が少ないが、Treg誘導性の菌の特徴を明らかにすることで、より良い選抜方法の開発が期待される。