日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-25] 高水分乳牛糞の堆積物底部へのスノコ状構造物の設置が堆肥温度に及ぼす影響

〇花島 大1 (1.農研機構北農研)

【目的】乳牛糞堆肥は水分が高いために温度が上昇しにくい傾向にあり、特に堆積物の底部は重力により降下した液分や自重による圧密化により嫌気的状態にあると考えられる。そこで本研究では、堆積物底部へのスノコ状構造物の設置による嫌気部位の解消が堆肥温度に及ぼす影響について検証した。【方法】堆肥原料である乳牛糞および敷料である低質牧草の混合物12トンの堆積物の底部に鉄骨製スノコ状構造物(2.0×2.0×0.3m)を設置し、構造物内部の空間に塩ビ製パイプを接続した試験区、または同じ形状の構造物の内部に発泡スチロールを充填した対照区のそれぞれについて堆肥化処理を実施した。堆積物の前方、中心、後方の底から40および80cmの6箇所に熱電対を設置し、30分間隔で堆肥温度を測定した。堆肥化期間は49日間とし、21および35日目に堆肥の切り返しを実施した。【結果】堆肥原料の水分は78.3%であった。対照区の最高温度はいずれの測定部位においても70℃未満であったが、試験区においては4箇所で70℃を超える最高温度が認められた。雑草種子や病原菌の死滅に効果がある55℃以上の高温持続時間は、すべての測定部位において試験区の高温持続時間の方が長く、その最長持続時間は977時間であった。試験区で認められた温度上昇効果は、スノコ状構造物とパイプの設置により受動通気が促進されたことによるものと考えられた。