第72回コロイドおよび界面化学討論会

開催概要

第 72回コロイドおよび界面化学討論会

主催:公益社団法人 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会

討論会主題:ライフサイエンスとコロイド・界面化学

協賛: 応用物理学会、界面動電現象研究会、化学工学会、光化学協会、高分子学会、材料技術研究協会、錯体化学会、色材協会、触媒学会、電気化学会、電気学会、土壌物理学会、ナノ・バイオメディカル学会、ナノ学会、日本家政学会、日本吸着学会、日本香粧品学会、日本混相流学会、日本材料学会、日本食品科学工学会、日本食品工学会、日本生物工学会、日本生物物理学会、日本セラミックス協会、日本中性子科学会、日本トライボロジー学会、日本熱測定学会、日本農学会、日本農芸化学会、日本バイオマテリアル学会、日本肺サーファクタント・界面医学会、日本表面真空学会、日本物理学会、日本分析化学会、日本膜学会、日本薬学会、日本油化学会、日本レオロジー学会、表面技術協会、腐食防食学会、粉体工学会、粉体粉末冶金協会、水環境学会(五十音順)

開催形式:オンライン。口頭発表、ポスター発表ともにZoomを使用予定。
     口頭発表:ミーティングまたはウェビナー  
     
ポスター発表: ブレイクアウトルーム

 

催事内容  

アカデミックプログラム

1. 総合講演 (9月17日(金) 午前)
「DNA二重鎖固定コロイド粒子が示す新奇現象と応用」
前田 瑞夫 氏(理化学研究所 主任研究員・東京大学 教授)
「両親媒性高分子の自己組織化とバイオ・医療応用」
秋吉 一成 氏(京都大学 教授)
 
2. Lectureship Award 講演

2021年度受賞者 (9月16日(木) 午後)
"Electrokinetics of electron- and ion-conducting interfaces: the ‘‘after-Smoluchowski’’"
Jérôme F. L. Duval 氏(フランス LIEC、CNRSリサーチディレクター・教授)
"Engineering particles for biological interactions"
Frank Caruso氏(オーストラリア メルボルン大学 教授)
 
2020年度受賞者 (9月15日(水) 午後)
"Shape-shifting drops as micro-structured dynamic materials"
Nikolai D. Denkov 氏(ブルガリア ソフィア大学 教授)
"Stable colloidal systems at very high salt concentrations"
Vincent S. J. Craig 氏(オーストラリア オーストラリア国立大学 教授)
 
3. 奨励賞受賞講演
2021年度科学奨励賞 受賞者  (9月15日(水) 午後)
「コロイド分散系におけるナノ力学とナノ構造の関係性解明と逆解析理論の開発」
天野 健一 氏(名城大学農学部 准教授)
2021年度技術奨励賞 受賞者  (9月16日(木) 午後)
「物質の自己組織化挙動の制御による新たな化粧品技術の開発」
技術奨励賞 杉山 由紀 氏((株)資生堂)
 
4. 一般研究発表
A 総合セッション
下記の分類にとらわれず、コロイドおよび界面化学に関するどんな研究でも発表でも発表でき、分野間での交流を図ることができます。
B 分子集合体の科学と技術
(1)界面活性剤(合成・溶液物性・相挙動など)(2)エマルション(3)超分子・高次分子集合体(4)ゲル(5)高分子溶液(6)生体超分子(7)その他
C 組織化膜の科学と技術
(1)単分子膜・LB 膜(2)自己組織化膜(3)二分子膜(ベシクル・リポソームなど)(4)界面物性(気-液、液-液)(5)バイオインターフェース(6)その他
D 微粒子とその分散系の科学
(1)コロイド(2)サスペンション(3)微粒子・ナノ粒子の理論(4)微粒子・ナノ粒子の合成(5)高分子コロイド(6)界面電気現象・界面動電現象(7)レオロジー(8)その他
E 微粒子とその分散系の技術と応用
(1)濃厚分散系(2)微粒子・ナノ粒子の製造(3)微粒子・ナノ粒子の物性・機能(4)微粒子・ナノ粒子の応用・実用化(5)材料としての微粒子・ナノ粒子(6)バイオコロイド(7)その他
F 固体表面・界面の科学と技術
(1)固体表面構造と物性・機能(2)吸着と触媒(3)表面力・トライボロジー・走査プローブ顕微鏡(4)散乱・回折・分光法(5)マイクロファブリケーションとナノテクノロジー(6)その他
G 応用・開発セッション
(1)企業開発研究(製品配布可)(2)アカデミアにおける応用研究
 
5. 一般シンポジウム
(1) 液体の科学におけるニューパラダイム
企画提案者:中西 尚志、天神林 瑞樹
開催日:9/15(水) 午後
コロイド・界面現象に欠かせない「液体」は、レオロジーや濡れ性の観点から長年議論が展開されてきた。近年、液体の高度な分子設計や解析技術、さらには成形が可能となり、「機能性液体分子」や「液体薄膜」、「液体ビー玉」、「液体エレクトレット」、など液体科学のニューパラダイムと言える取り組みが展開されつつある。さらには機能性液体を基材とするソフトエレクトロニクスやロボティクスなどの次世代技術への応用も期待されている。
本シンポジウムでは、このような「液体」科学の新たな学術的取組に向けて、液体の分子設計から基礎解析、基盤機能の理解、応用までを多角的な視点で議論する。そして液体科学に携わる研究者が一同に会し、先端的取組や新規現象・メカニズムを理解し、共通の問題点を共有できる共創の場を提供する。
 
一般講演受け入れ可、ポスター発表有
 
企画講演
「含窒素型π共役分子を基盤とした刺激応答性液体材料の創出」磯田 恭佑(香川大学)
「イオン液体と高分子を基盤とする自己修復ソフトマテリアル」玉手 亮多(物質・材料研究機構)
「ゲル表界面設計による付着物の移動制御」浦田 千尋(産業総合技術研究所)
「次世代ロボットへの適応に向けた磁気粘弾性流体(MRF)の開発」椎名茉友(日本ペイントホールディングス株式会社)
「リキッドマーブル工学:液体ハンドリング技術の開発」藤井秀司(大阪工業大学)

(2) コロイド・界面における機能性自発秩序:非生命系から生命系まで
企画提案者:並河 英紀、松原 弘樹、小倉 卓、伴 貴彦
開催日:9/16(木) 午後
分子・分子集合体・細胞へと至る階層的反応ネットワークが織りなす時空間秩序化は、非生命系から生命系に至る広範な時空間スケールにおける構造形成・機能発現に重要な役割を果たす。その支配原理は平衡論的界面現象のみならず、平衡から遠く離れた非平衡現象も深くかかわっている。そのため、その包括的理解には非生命系から生命系、平衡系から非平衡系を異分野融合的に議論する学際領域が不可欠である。本シンポジウムでは、これまでに実施されてきた分子・分子集合体の平衡・非平衡現象に関するシンポジウムを基軸にしつつも、細胞サイズさらには生命システムへと拡張し、微粒子・界面活性剤など非生命界面現象が駆動する自発秩序・自発機能と、細胞時計など生命系を支える自発秩序・自発機能との相互理解を深めるべく、非生命系から生命系、平衡系から非平衡系研究者による機能性自発秩序を主題とした分野融合的議論を行うことを趣旨とする。

一般講演なし、ポスター発表有

企画講演
「周期的な会合解離挙動を示すゲル微粒子の創成と機能化」鈴木 大介(信州大学)
「複数の自己推進型イオンゲル間への運動相関付与と集団運動秩序形成」古川 一暁(明星大)
「界面活性剤間の反応によって駆動される液滴の動的構造形成」田中 晋平(広島大)
「動的な構造変化を示す金属有機構造体の合成、構造評価とその応用」田中 俊輔(関西大)
「単純細胞モデルにおける極性低分子とセルロース高分子の動的挙動」吉田 一也(山形大)
「中枢概日時計細胞の同期・非同期状態と生後発達」小野 大輔(名古屋大)
 
(3) コロイド粒子の凝集制御 ~凝集機能ユニットの視点~
企画提案者:川﨑 英也、高江 恭平

開催日:9/16(木) 午前

コロイド分散系では,分散だけでなく,「如何に凝集させるか」は,重要な課題である。生命圏,環境圏,濃厚ペーストなどの実在系では,コロイド粒子は完全に分散しておらず,凝集状態(凝集粒子)で存在している.これら凝集粒子は,サイズや形態,内部構造,凝集体内の粒子間結合の強さが,空間的/時間的に動的に変化して特徴・機能を発現しているため,「凝集制御」は困難な課題といえる.本シンポジウムでは,凝集体を漠然と捉えるのではなく,凝集体のある部分を機能発現のためのユニット,「凝集機能ユニット」とみなし,特徴・機能を発現する凝集ユニットとは何か?その評価法は?凝集ユニットが凝集系全体の特徴・機能にどのように影響を与えるのか? という視点で,「凝集制御」を議論したい.凝集粒子は避けるべきではなく,凝集粒子を機能単位として捉え直す新しい観点から,「凝集ユニット」を新機能材料創出のキーテクノロジーとする新機軸を打ち出したい。
 
一般講演なし、ポスター発表

企画講演
「凝集形態の分類と凝集促進因子としての分子間力」武田真一(武田コロイドテクノ・コンサルティング株式会社)
「コロイドの相分離過程における流体力学的相互作用の役割」舘野 道雄、田中 肇(東京大学)
「粒子分散液の内部構造と塗膜乾燥時の粒子充填に対する影響」菰田悦之(神戸大学)
「金属ナノ粒子の表面増強ラマン散乱」 山本裕子(北陸先端科学技術大学院大学)
「蛋白質凝集:閉鎖系と開放系、非生命系と生命系」並河英紀(山形大)
"Sputtering onto a liquid for synthesis of nanoparticles: particle size, aggregation state, composition, and alloy formation." Mai Thanh Nguyen,  Tetsu Yonezawa (Hokkaido University)
 
6. 国際シンポジウム
本討論会の国際化を進めるために、国際交流委員会が主体となって国際シンポジウムを企画・実施します。9月21日(火)に口頭発表のみとして実施することを予定しています。また、国内外からの参加に関わらず、国際シンポジウムへの参加費は無料とします。
 
7. 企業展示セッション
オンライン企業展示については、本ホームページの「広告・オンライン企業展示」で募集中です。
 
8. 特別企画
主題「ライフサイエンスとコロイド・界面化学」のもと、総合講演では、前田瑞夫先生(理化学研究所 主任研究員・東京大学 教授)と秋吉一成先生(京都大学 教授)にご講演を頂きますが、さらに特別企画1として「生命科学とコロイド・界面化学」を、特別企画2として「新型コロナ感染症対策とコロイド・界面化学」を開催します。

特別企画1「生命科学とコロイド・界面化学」
開催日:9/17(金) 
企画講演
「バイオソフトマターの光計測・光操作~細胞膜・タンパク質結晶~」吉川 洋史(大阪大学大学院工学研究科物理学系専攻)
「自己組織化を基盤とする新しい創薬」長崎 幸夫(筑波大学数理物質系)
「住宅用セラミックスの防汚・抗菌技術」井須 紀文((株) LIXIL Technology Innovation 本部分析 ・ 環境技術開発部)
 
 

特別企画2「新型コロナ感染症対策とコロイド・界面化学」
一般市民の方も対象とした市民講座の形で実施します(聴講は無料です)。
開催日:9/18(土) 午後 
企画講演
「感染症治療薬として期待される人工中和抗体」保田 朋波流(広島大学大学院医系科学研究科免疫学) 
「正しい手洗い,うがい,消毒の方法とその効果について」尾本 百合子(ライオン(株) ビューティケア研究所)
「新型コロナウイルス等の感染対策に用いられる手洗い石けんの抗ウイルス効果」川原 貴佳(シャボン玉石けん(株)研究開発本部)
「接触感染リスク削減のための新型ウイルス環境除染技術」西尾 正也、藤井 健吉(花王(株) 安全性科学研究所)