Public Lectures (in Japanese)
ライブ配信(Zoom)またはオンデマンド動画にて視聴いただけます。
*新型コロナウイルス感染防止のため,大会参加者でない方は,会場(日本大学)にお越しいただいての参加・聴講ができません。何卒ご了承ください。
*下記シンポジウムの動画(録画)を公開しました。
- [IS-002] 日本に来て研究する意義を再考する(企画:日本心理学会 国際委員会)
- [IS-006] シングルケースデザインをどう考えるか:個に寄り添う科学と実践(企画:日本看護科学学会・日本心理学会)
- [IS-009] 心理統計教育の標準カリキュラム・シラバスはいかにあるべきか:「ベシスタ」シラバスを叩き台とする検討(企画:日本心理学会 教育研究委員会 心理統計法標準カリキュラム作成小委員会)
ライブ配信
企画:日本心理学会 国際委員会,毛 新華(神戸学院大学),佐藤 徹男(札幌国際大学),山本 真也(京都大学),家島 明彦(大阪大学)
話題提供者:山本 真也(京都大学),三浦 麻子(大阪大学),温 若寒(大阪大学)
指定討論者:佐藤 徹男(札幌国際大学),家島 明彦(大阪大学)
司会者:毛 新華(神戸学院大学) 日時:2022年9月8日(木) 16:00 〜 18:00
会場:第2会場 (百周年記念館2F国際会議場)/ライブ配信
コロナ禍において,国際的な移動が制限される中,留学生が入国できない・入国が遅れるケースが見られた。また同時に,オンラインでの授業や研究等も様々な取り組みが行われてきた。
本シンポジウムでは,入国が困難であった留学生やそのような留学生を指導してきた教員の事例を通して,渡日して研究することのメリットやデメリットを話題提供者にお話し頂く。その後,参加者も含めてスモールグループでのディスカッションを行い,日本に来て研究する意義を再考する場を提供したい。
企画:日本心理学会 若手の会
司会者:富田 健太(名古屋大学),讃井 知(上智大学)
話題提供者:阪口 幸駿(同志社大学),高野 佑紀奈(NTT),遠山 朝子(専修大学),富田 健太(名古屋大学)
日時:2022年9月9日(金) 16:00 〜 18:00
会場:ライブ配信;事前申し込み制(8月30日(火)15時申込開始)
例年に引き続き,高校生,学部生,大学院生そしてポスドク研究者までを対象とした進路相談会を開催します。様々な領域で活躍する大学院生,若手研究者,教員が相談に応じます。相談形式は,担当者と参加者が複数名で話し合うグループ相談形式で実施します。
また今年度は,企業で研究をされている方や一般企業に勤めてから再度大学院に進学し研究職に従事している方など様々な背景を持つ先生方をお呼びし,自身の進路選択の経緯などについてお話しいただきます。進路に関しては,指導教員や身近な人としか話す機会がないかもしれません。是非,この機会に,多様な方々と気軽にお話をし,今後の進路選択の参考にしていただけたら幸いです。
[IS-005] 大学の研究者が企業や地域と共同関係を結ぶために必要なこととは?
企画:日本心理学会 若手の会,井上 和哉(早稲田大学),富田 健太(名古屋大学)話題提供者:山田 達人(明治学院大学),岡島 義(東京家政大学),工藤 和俊(東京大学),守谷 喜光(埼玉県ふじみ野市立大井東中学校),秋冨 穣(NECソリューションイノベータ),菅野 仁美(JLPGA公認女子プロゴルファー)
司会者:横光 健吾(人間環境大学)
日時:2022年9月10日(土) 10:00 〜 12:00
会場:第1会場 (本館B1Fセンターホール) /ライブ配信
社会にとって有意義な研究を行うために,研究者は大学に留まらず,一般社会に根ざし,地域,行政,産業,医療,スポーツ,司法など,各コミュニティとの共同関係が欠かせない。そして,得られた知見をコミュニティに生かし,より良い社会を目指すことが心理学の一つの在り方として考えられる。しかしながら,大学外のコミュニティと共同関係を一から築くことは容易ではなく,前例がないことがほとんどである。本シンポジウムでは,各コミュニティにおいて,その前例を創ってきた研究者と共同研究者をお招きし,共同関係の構築,維持,知見の還元について,若手研究者に求められるポイントを議論する。
企画:日本看護科学学会・日本心理学会(共同企画),鎌倉 やよい(日本心理学会,日本看護科学学会,日本赤十字豊田看護大学),池田 真理(日本看護科学学会,東京大学),仲上 豪二朗(日本看護科学学会,東京大学),丹野 義彦(日本心理学会,東京大学),増田 真也(日本心理学会,日本看護科学学会,慶應義塾大学),坂上 貴之(日本心理学会,日本看護科学学会,慶應義塾大学)
話題提供者:武藤 崇(日本心理学会,同志社大学),山田 剛史(日本心理学会,横浜市立大学),巻野 雄介(日本看護科学学会,日本赤十字豊田看護大学),住友 順子(近畿大学病院)
指定討論者:鎌倉 やよい(日本心理学会,日本看護科学学会,日本赤十字豊田看護大学),丹野 義彦(日本心理学会,東京大学),増田 真也(日本心理学会,日本看護科学学会,慶應義塾大学)
司会者:仲上 豪二朗(日本看護科学学会,東京大学),坂上 貴之(日本心理学会,日本看護科学学会,慶應義塾大学)
日時:2022年9月10日(土)10:00〜12:00
会場:第2会場 (百周年記念館2F国際会議場)/ライブ配信
シングルケースデザイン(single case design; SCD)は,推測統計学と実験計画法に支えられたランダム化比較試験(randomized controlled trial; RCT)とは方向の異なる科学的研究法と実践のあり方を提案する。これまでの心理学,殊に実験心理学的研究で支配的な(そして言うまでもなく医学等の生命科学においても支配的な)RCTの使用については,2015年ころから起こった「再現性の危機」における問題提起をその背景としつつ,メタ分析の活用や効果量などの指標の利用といった様々な新しい提案がなされてきた。その一方で,個体の行動を対象とした実験室での研究に基づく行動分析学では,その初期から,個体の行動を制御していると考えられる原因を,その遺伝的資質,誕生からの環境との履歴,現在の環境条件,の3つに求めるために,個別の個体の行動を変容させる変数への種々の操作を系統的に行ってきており,それらは実験法や分析法として次第に整理され,現在SCDの名でまとめられてきた。系列依存性の問題からRCTで開発されてきた統計法を用いることが難しいために,1980年くらいまでは,主に目視を中心とした要因効果の判定に制約されてきたが,高速の計算が手近なものとなり,充実したソフトウェアが利用できるようになるに従って,効果判定に様々な数学的な手法が開発されるようになってきた。そして現在では,教育科学,看護科学の分野においても,SCDを用いた研究を見出せるようになってきた。 本シンポジウムでは,こうしたSCDについての基本的な考え方からはじまり,現在の学界におけるSCDについての動向,SCDの運用と効果判定の技法,SCDの限界とその突破,実践場面でのSCDの研究法や分析法,経験に基づくノウハウや困難な問題,など話題として提供していただきながら,「個に寄り添う」看護科学と心理科学が目指す,共通の科学と実践について討議していきたいと考えている。
企画:日本心理学会教育研究委員会 心理統計法標準カリキュラム作成小委員会
話題提供者:三浦 麻子(大阪大学),小杉 考司(専修大学),清水 裕士(関西学院大学),高橋 康介(立命館大学),森 知晴(立命館大学),山田 剛史(横浜市立大学)
司会者:三浦 麻子(大阪大学)
特設Webサイト
日時:2022年9月11日(日) 10:00 〜 12:00
会場:第3会場 (3号館3F3305)/ライブ配信;事前申込制(9月2日(金)18時申込開始) 学問の世界は日進月歩。私たちは研究者として教育者として,常に知識を更新する必要があります。心理統計という私たちの「道具」にしても同じことです。例えば50年前,25年前,そして今の『心理学研究』誌を手に取って(J-STAGEにアクセスして),ご自身の専門に近いテーマの論文を読んでみてください。用いられている手法も,あるいはその時何が常識とされていたかも,大きく変化していることに気づくでしょう。
中堅・ベテランの方々は「心理統計の専門家でもないのに,道具の発達に追いつくのはしんどい」と,若手の方々は「最新の情報を知っていればよく,基礎に目を向ける暇などない」とおっしゃるかもしれません。わかります。しかし,この状況を放置すると,やがて論文が読めなくなり,論文が書けなくなり,研究ができなくなります。そして,論文を読む教育が,書く教育が,そして研究指導ができなくなります。
私たちは,私たちが研究者として教育者として,常に知識を更新できるような環境を整えられないか,と考えました。そして,そのためにそれぞれがバラバラに努力するのではなく,それを結集するべく心理学会として頑張ってみよう,という結論に至り,2021年8月に本委員会が発足しました。
本シンポジウムでは,こうした意図を心理統計教育の現状をふまえてご説明した上で,私たちが構想しているカリキュラムの構造についてご紹介します。論文を読めるようになる「Basic Statistics(ベシスタ)」,論文を書けるようになる「Standard Statistics(スタスタ)」,さらに発展的な手法を身につける「Advanced Statistics(アドスタ)」の3層構造で,知識を広げていくというよりは下地から本塗り,そしてつや出しへと塗り重ねていくという発想です。まず手始めに作成したベシスタのシラバス案をお示しして,皆様と議論したいと考えています。既に資料を公開し,パブリックコメントを募集しておりますので(https://sites.google.com/view/jpa-psychometrics/),是非ともお目通しの上,当日はもちろん,事前にもご意見賜れれば幸いです。
心理統計あるいはその教育に現に携わっていようがいまいが,ああこれは「じぶんごと」だな,と捉えてくださった方々のご参加を心よりお待ちしております。
[IS-010] 性に関する研究成果の,社会への適切な発信を考える
企画:日本心理学会 男女共同参画推進委員会話題提供者:平石 界(慶應義塾大学),四本 裕子(東京大学),池上 知子(甲南大学)
指定討論者:吉原 雅子(九州大学)
司会者:土肥 伊都子(神戸松蔭女子学院大学)
日時:2022年9月11日(日) 13:00 〜 15:00
会場:第3会場 (3号館3F3305)/ライブ配信
本シンポジウムは,性(セックス・ジェンダー)に関する研究成果の,社会に向けての適切な発信について考えるものである。自然科学であれ人文社会科学であれ,そもそも研究自体にジェンダー・バイアスがある。ただしここでは性に関して,信頼できる成果や知見を出すことの困難さや,学問の成果が社会に発信される際の誤用による様々な弊害や,それらへの対応策などについて議論する。
最初に平石界氏から,配偶者選好の性差にかんする進化心理学の知見の再現性の問題などを例に引きつつ,心理学の研究成果がどこまで実社会の人間に適用可能なのか「証拠の階層」(evidence level)を整備する必要について話題提供して頂く。
次に,認知神経科学者で,いわゆる「男性脳・女性脳」の俗説が差別を助長する問題などについて情報発信されている四本裕子氏から,因果関係も一方向ではなく断言する科学的根拠がない中で,構造的差別を強化する方向に言説が広げられるパブリケーションバイアスの実例を挙げて頂く。そして,それによる弊害,さらには解決策を提案して頂く。
最後に,社会心理学がご専門の池上知子氏からは,研究成果がステレオタイプ化して流布し,その結果ジェンダー不平等が生じた場合に,それを容認,正当化してしまう心理的メカニズムがあることや,不平等解消を実現するための前提条件となるジェンダー意識,社会制度などについてお話し頂く。
指定討論者は共催のギースの会長の吉原雅子氏にお願いする。心理学領域で提供された話題について,哲学の観点からご意見を述べて頂き,性に関する研究成果を社会へ適切に発信する方策についての議論の口火を切って頂く。
オンデマンド
[IS-012] 学部生・高校生プレゼンバトル【字幕あり】
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpa2022/static/IS012 (9月8日正午公開予定)企画:日本心理学会 若手の会,前澤 知輝(日本心理学会若手の会)
日本心理学会第86回大会における若手の会の企画として,今年度も心理学に興味を持って学習や研究を行っている高校生・大学学部生を対象に「学部生・高校生プレゼンバトル」を開催いたします。発表内容は,部活動での成果報告や,ゼミ研究,卒論の中間発表,これから取り組もうとしている研究計画など,心理学に関係するもの,精神と行動に関係しているものを広く募集いたします。ご自身の研究を4分間でいかに魅力的にプレゼンテーションできるかを審査し,ベストプレゼンターを選出いたします。研究方法や結果の有無よりも,イントロダクションに重点を置いて評価することを基本指針とします。
[IS-013] 高校「倫理」における心理学教育の導入
――心理学者と哲学者の対話――【字幕あり】
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpa2022/static/IS013 (9月8日正午公開予定)――心理学者と哲学者の対話――【字幕あり】
企画:日本心理学会教育研究委員会 高校心理学教育小委員会,楠見 孝(京都大学),唐沢 かおり(東京大学)
話題提供者:楠見 孝(京都大学),唐沢 かおり(東京大学),直江 清隆(東北大学),河野 哲也(立教大学)
指定討論者:和田 倫明(東京都立産業技術高等専門学校)
司会者:市川 伸一(東京大学)
本シンポジウムは,学習指導要領の改訂に伴って,来年度からスタートする公民科「倫理」の中に,心理学の内容が従前以上に導入されることにあわせて行う企画である。シンポジウムでは,従来の公民科「倫理」の問題点を踏まえて,今後の新たな「倫理」教育に向けて,心理学者と哲学者が連携し,高校教員や高校生に向けて発信するための課題について対話することを目的とする。話題提供では,楠見が,企画趣旨とともに,公民科「倫理」の中に,導入された心理学の新たな内容とその背景,今後の期待と現状の課題について述べる。唐沢は,「倫理」教育において心理学を教える意義と課題,哲学・倫理学と心理学が連携する重要性について述べる。直江は,哲学・倫理学の立場から,「倫理」の教育において科学としての心理学がはたす役割への期待について述べる。河野は,授業方法としての哲学対話が「倫理」の内容の理解と思考の深まりにいかなる影響を与えるかについて論じる。そして,指定討論者として,和田が, 心理学分野が教育課程とともにどのように変遷してきたかを振り返りつつ,公民科教育の実践を踏まえて,それぞれの話題提供に即して今後の課題を整理する。最後に,登壇者相互の対話をおこないたい。
[IS-015] 変化する心理学【字幕あり】
https://confit.atlas.jp/guide/event/jpa2022/static/IS015 (9月8日正午公開予定)企画:日本心理学会 認定心理士の会運営委員会
話題提供者:三浦 麻子(大阪大学),サトウ タツヤ(立命館大学),山田 祐樹(九州大学)
指定討論者:河原 純一郎(北海道大学)
司会者:渡邊 伸行(金沢工業大学)
近年の心理学における再現性問題や統計革命によって,これまで教科書で学んできた心理学の理論の一部が否定されたり改訂されつつある。一方,SNSなどで「一般に流布している心理学」の中には,本来の理論とは異なる解釈がなされていたり,心理学を装っただけの根拠に乏しい理論も見られる。本シンポジウムでは,以上のような心理学における様々な変化を取り上げ,心理学で学んできたことをどのようにアップデートしていくか,一般に流布する心理学を装った理論の真贋をどのように見極めるか,などについて議論する。研究者として,あるいは認定心理士として,一般社会に向けて心理学の正しい知識をどのように発信していくか,議論する機会としたい。