日本畜産学会第128回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表3

2021年3月28日(日) 09:00 〜 10:45 ライブ配信

座長:川島 知之(宮崎大学農)、美川 智(農研機構生物機能利用研究部門)、野村 将(農研機構畜産研)、若松 純一(北海道大学)

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パスコード:328298

09:00 〜 09:15

[IIIYS-01] 麹発酵フスマ添加飼料による採卵鶏の暑熱ストレス緩和効果

〇大内 義光1、阿部 奏愛2、深野 夏暉3、妹尾 佐都子3、豊後 貴嗣1 (1.広島大院統合生命、2.広島大生物生産、3.フジワラテクノアート)

【背景・目的】腸内環境は様々な生理機構と密接な関係性をもち、ストレスによる影響を受ける。したがって、腸内環境の改善は暑熱ストレスの緩和に重要である。本実験では、暑熱環境下での採卵鶏の腸内環境に対する麹発酵フスマ添加飼料給与の効果について調査した。

【方法】供試家畜は37週齢白色レグホーンとした。①市販飼料給与(25℃恒温)、②市販飼料給与(暑熱暴露)、③麹発酵フスマ添加(2.0%)飼料(試験飼料)給与(暑熱暴露)の試験区を設けた。暑熱暴露は7日間、28~36℃に暴露した。飼料摂取量、卵重、体重および直腸温を測定した。試験終了後、血漿中グルコース・遊離脂肪酸濃度、空腸組織における遺伝子発現量、空腸および盲腸内容物細菌のDNA発現量を測定した。

【結果および考察】試験飼料は暑熱下での飼料摂取量を回復させた。暑熱暴露によって体重は減少したが、暑熱による卵品質の低下は試験飼料給与鶏で緩和された。血漿中グルコース・遊離脂肪酸濃度に差はなかったが、空腸組織において暑熱暴露によるMucin1の発現量の減少およびZO-1の増加を試験飼料は緩和した。腸内細菌叢については試験飼料によってビフィズス菌の増加、大腸菌増殖の抑制がみられた。以上の結果から、麹発酵フスマ添加飼料は暑熱ストレスによる採卵鶏の腸内環境悪化を改善する効果がある。