日本畜産学会第128回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表4

2021年3月28日(日) 09:00 〜 10:30 ライブ配信

座長:尾嶋 孝一(農研機構畜産研究部門)、高坂 哲也(静岡大農)、一條 俊浩(岩手大学)、杉山 稔恵(新潟大学農学部)

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パスコード:328262

10:00 〜 10:15

[IVYS-05] アイメリア・テネラ感染鶏に対する5‐アミノレブリン酸の効果

〇青田 航1、Dung Ho1、横山 真由子1、Hung Pham1、谷口 慎2,3、畑生 俊光1 (1.岡山大院環境生命、2.ネオファーマジャパン、3.広島大院生物圏)

【目的】鶏盲腸コクシジウム症は、腸内寄生性原虫であるアイメリア・テネラ (テネラ) 感染によって引き起こされる。本症は、下痢・血便を主症状とし、重篤な場合は死に至るため養鶏業にとって経済的損失が大きい感染症である。5-アミノレブリン酸 (5-ALA) は普遍的な天然アミノ酸であり、テネラと同じ胞子虫類に属するマラリア原虫に対する抗原虫効果が報告されていることから、テネラ感染鶏に対する5-ALAの有用性について検証した。【材料・方法】テネラ感染1週間前より5-ALA含有A飼料を通常飼料に添加した群 (5-ALA群) と通常飼料群 (対照群) の2群を設け、テネラオーシストを14日齢 (初感染) および39日齢時 (攻撃感染) に経口投与した。テネラ感染鶏に対する5-ALA の有用性は、症状の観察、ヘマトクリット値・糞便中オーシスト数・組織内原虫数・血清抗体価を測定することで検討した。【結果・考察】5-ALA群は、対照群と比べ血便排出期間の短縮、ヘマトクリット値の高値傾向、初感染における糞便中オーシスト数および組織内原虫数の抑制傾向が認められた。攻撃感染後、糞便中オーシスト数および組織内原虫数は、5-ALA群で対照群と比較して有意に減少した。以上のことから、5-ALAはテネラ感染に対して抑制的な効果を有するとともに、免疫増強効果を有する可能性が示唆された。