日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-16] 乳用牛へのスルフォラファン給与が血中のスルフォラファン代謝物、肝機能および酸化ストレスに及ぼす影響

〇木村 将士1、山口 大輔1、日野  翔2 (1.茨城畜セ、2.茨城鹿行農林)

【背景】
 繁殖性低下の要因として、乳生産等に伴う酸化ストレスの増大により、肝機能が低下し、繁殖成績に悪影響を及ぼしているとの報告がある。
 ブロッコリー等に含まれるファイトケミカルの一種のスルフォラファンは、抗酸化物質であるグルタチオン生成を促す作用を持ち、肝機能改善効果が期待される。
【目的】
当センター飼養の乳用牛にスルフォラファン前駆体含有物(ブロッコリーやブロッコリー抽出パウダー(パウダー))を投与し、血中のスルフォラファン代謝物、肝機能および酸化ストレスマーカーに及ぼす影響について調査した。
【方法】
試験1:ブロッコリー1kg/日、3kg/日、パウダー10g/日を2週間給与、スルフォラファン代謝物を測定した。
試験2:パウダー10g/日を分娩予定日2週間前から給与、肝酵素、酸化ストレスマーカー(TBARS)、グルタチオン類濃度を測定した。
【結果および考察】
試験1:ブロッコリー、パウダー給与により、給与前と比較して給与2週間後のスルフォラファン代謝物濃度が上昇したため、体内で代謝、吸収されると考えられた。
試験2:パウダー給与群では対照群と比較し分娩時の肝酵素値が低くなった。また、分娩時~分娩後1週間においてグルタチオン類およびTBARS濃度が低く推移したことから、給与群ではグルタチオン類がより細胞内に取り込まれ、抗酸化酵素遺伝子が活性化され、酸化ストレスが低下した可能性が考えられた。