日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-24] 初産牛と経産牛における乾乳時泌乳形質が繁殖成績に及ぼす影響

〇伊藤 文彰1、山崎 武志1、内沢 航太2、舛田 正博2、田鎖 直澄1 (1.農研機構北農研、2.家畜改良セ新冠)

【目的】泌乳平準化と泌乳持続性の向上は、健全性と乳生産の維持に寄与すると期待されるが、乾乳時乳量が高レベルとなる影響について検討は十分でない。本研究では乾乳時の泌乳形質を中心に、繁殖成績との関係を解析した。【方法】北海道で約250頭の搾乳牛をフリーストールにて飼養する牧場において、初・2産間(初産牛)と2・3産間以上の乳牛(経産牛)に産次を分け、合計357頭のデータを解析した。乾乳方法は急速乾乳(一発乾乳)である。泌乳形質として乾乳前30日間における乳量と乳量減少率、および乾乳期間を、繁殖成績として初回種付けによる受胎成否(初回受胎)、種付け回数、初回種付けの分娩後日数(初回種付け日)などを整理し、関係を解析した。【結果】ETとAIによる初回受胎と乾乳前7日間の平均乳量との関係では、初産牛で受胎した乳牛の乳量が不受胎よりも少ないのに対し、経産牛では差がなかった。乾乳前30日間の平均乳量でも同様であった。また、種付け1回で受胎の乳牛の乾乳時乳量は2回よりも少なかった。次に、乾乳前30日間の乳量減少率を3クラスに分けて初回種付け日を比較したところ、経産牛では最も減少が大きいクラスの乳牛の方が中間クラスよりも次産の種付けが早かった。【結論】初産牛では乾乳時の乳量が少ない方が、経産牛では乳量の減少率が大きい方が繁殖性は良いことが示唆された。