〇Maki Nakamura1, Kunitoshi Konda2, Ryo Osawa3, Tomoko Okimura4, Takuro Takeuchi5, Keiko Nishimura6, Yusuke Shirai7, Ai Inukai8, Kazushi Sakamoto9, Kyotaro Murayama10, Yutaka Ueno11, Shiro Kushibiki12, Naoki Isobe13, Toshihisa Sugino13
(1.Shimane Pref. Livestock Technology Center, 2.Kanagawa Pref. Livestock Technology Center, 3.Saitama Pref. Agriculture Technology Center, 4.Toyama Pref. Livestock Technology Center, 5.Ishikawa Pref. Livestock Technology Center, 6.Miyazaki Pref. Livestock Technology Center, 7.Yamanashi Pref. Livestock Dairy Technology Center, 8.Chiba Pref. Livestock Technology Center, 9.Yptech Corporation, 10.Zenrakuren Corporation Dairy Technology Center, 11.Shinsyu Univ, 12.Institute of Livestock and Grassland Science, NARO, 13.Hiroshima Univ.)
【目的】最大哺乳到達と離乳時期の早期化を目的に,発育を促進する中鎖脂肪酸を添加した代用乳を用いて子牛の発育,消化性および繁殖性に及ぼす影響について検討した.【方法】公立8試験場のホルスタイン種雌子牛を供試した.各試験場の飼養管理は同一とし,市販粉末初乳給与後,出生後2回目以降の哺乳から市販代用乳を用いて哺乳量を徐々に増給し3週齢で最大哺乳,8週齢で離乳する対照区(21頭),1.5週齢で最大哺乳,6週齢で離乳する早期離乳区(20頭),中鎖脂肪酸添加代用乳を用いて早期離乳区と同様に管理したMCT区(21頭)を設けた.人工乳および乾草は自由摂取とした.13週齢まで飼料摂取量を毎日,体重を毎週計測し,13週齢時に消化試験を実施した.39週齢に到達した個体について42週齢まで定期的に血漿プロジェステロン(P4)濃度を測定し,排卵の有無を調査した.【結果】早期離乳した2区では6週齢から固形飼料摂取量が高く推移した.一方で13週齢時の体重は処理区に差はなく,乾物消化率および蓄積窒素量も同様に差はなかった.P4濃度が上昇した個体割合は,MCT区が最も高く,対照区,早期離乳区の順で高かった.このことから,最大哺乳到達を早めることで離乳時期を早期化しても一般的な高栄養哺乳プログラムと同程度の発育が期待でき,さらに中鎖脂肪酸の添加給与により初回排卵を早期化できる可能性が示唆された.