日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-03] 黒毛和種繁殖雌牛における繁殖性形質の遺伝的パラメーターの推定

〇阿部 紗奈1、萩谷 功一1、口田 圭吾1 (1.帯広畜産大学)

【目的】近年、黒毛和種の繁殖成績は低下傾向にある。生産の基盤ともいえる繁殖性であるが、肉質の改良のような育種価等の指標が少ない。そこで本研究は繁殖性育種価の推定のために遺伝的パラメーターを推定した。【材料・方法】データは、十勝管内の黒毛和種繁殖雌牛の授精および分娩記録とこれらの血統情報を用いた。受精卵移植の履歴のあるものは削除し、各条件のもと編集を行った。授精記録は閾値形質であることから、受胎した場合を1、不受胎の場合を2とした。分析に用いた形質は初回授精受胎率(CR)と初産分娩月齢(AFC)である。CRは初産、2産および3産以降に分けて分析を行った。分析にはCRはTHRGIBBS1F90、AFCはGIBBS1F90を使用し、Gibbs Sampling法によって推定した。サンプルの発生は合計50万回とし、最初に発生させた10万回をburn-inとした。それぞれのモデルにおいて生産者、交配相手種雄牛、個体の能力および残差を変量効果、授精年・季節を母数効果とした。さらに、CRの分析モデルには授精月齢を母数効果として加えた。【結果・考察】CRの平均値は各産次でそれぞれ59.3%、58.7%および57.3%であった。AFCの平均値は25.3±3.6ヵ月であった。遺伝率はCRでそれぞれ0.14±0.12、0.14±0.10および0.21±0.15、AFCでは0.13±0.11と推定された。