日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-16] 北海道のホルスタイン雌牛における搾乳ロボットを使用した搾乳の成否に影響する要因

〇川上 純平1、馬場 俊見1、後藤 裕作1、中川 智史2、山口 諭2、阿部 隼人2、中堀 祐香2、河原 孝吉1 (1.日ホ北支局、2.北酪検)

【目的】搾乳ロボットの搾乳成否は搾乳時乳量と搾乳所要時間により説明できる。本研究は搾乳成否に影響するその他の要因として搾乳月齢、泌乳ステージ、搾乳時間帯および分娩季節の影響について調査した。【方法】データは2007年から2020年に北海道の牛群検定により集積された搾乳ロボットの搾乳記録であり、初産のホルスタイン雌牛42,217頭から29,804,799記録を分析に使用した。線形モデルには独立変数として牛群と搾乳年月の交互作用、搾乳月齢、泌乳ステージ、搾乳時間帯および分娩季節に関する各母数効果、従属変数として成功を1、失敗を0とする搾乳成否を当てはめた。搾乳月齢は17から49ヵ月齢までを8区分、泌乳ステージは分娩日から数えて400日までを13区分、搾乳時間帯は午前4時から6時間ごとに4区分、分娩季節は3月から翌年2月までを4区分した。【結果】考慮した効果はすべて1%水準で有意であった。搾乳月齢の効果では月齢の上昇とともに搾乳の成功割合が高く、加齢にともない搾乳機器に順応する傾向が示された。泌乳ステージの推定値はその中期まで上昇し、その後は後期まで若干低下した。これには搾乳成否に対する泌乳ステージ間の搾乳時乳量の変化が影響している可能性が考えられた。搾乳時間帯では早朝と夕方の搾乳時間帯で若干搾乳の成功割合が高かった。分娩季節に対する搾乳成否には顕著な変化が見られなかった。