日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-18] ホルスタインの在群能力と在群期間および空胎日数との遺伝相関

〇後藤 裕作1、馬場 俊見1、川上 純平1、山口 諭2、阿部 隼人2、中堀 祐香2、河原 孝吉1 (1.日ホ北支局、2.北酪検)

【目的】乳牛は生涯生産性の向上のため長命性や繁殖性の遺伝改良を重視するようになった。(独)家畜改良センター(NLBC)は2020-8月評価から長命性の評価法を在群期間から在群能力に変更した。本分析では在群能力と在群期間および空胎日数との遺伝相関を推定した。【方法】データは2004年1月から2018年12月の間に北海道で初産分娩したホルスタインの牛群検定記録を使用した。在群能力の記録は初産から3産をそれぞれ分娩後50日未満、50~249日および250日~次産分娩までの3区間(合計9区間)に分割、これに4産以降を加えた10区間にスコア1~スコア10を割り当て、雌牛が除籍された区間のスコアを表型値とした。本分析の目的は遺伝相関の推定であるため在群能力を示す記録の定義はNLBCのものと異なる。在群期間と空胎日数はNLBCの遺伝評価法に準じた。多形質線形アニマルモデルには牛群分娩年、分娩年月および分娩月齢グループを母数効果とし、それに相加的遺伝子と残差の各変量効果を含めた。【結果】在群能力、在群期間および空胎日数の遺伝率は各々9~10%、12%および8%であった。在群能力と在群期間の遺伝相関は+0.97と高く、在群能力は在群期間の遺伝的傾向を十分反映していると推察された。在群能力と空胎日数には負の遺伝相関(-0.71)があり、繁殖能力の改善が在群能力の向上に寄与する可能性が示唆された。