日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-19] ブタパターン認識受容体遺伝子型と抗病性関連形質との関連性

〇一関 可純1、上西 博英2、松本 敏美2、岡 希3、高森 広典3、門脇 宏3、柴田 千尋3、鈴木 英作3、岡村 俊宏4、北澤 春樹1、麻生 久1、佐藤 正寛1、鈴木 啓一1、上本 吉伸1 (1.東北大学大学院農学研究科、2.農研機構生物機能部門、3.宮城畜試、4.農研機構畜産部門)

【目的】自然免疫系での病原体認識で重要な役割を担うパターン認識受容体遺伝子上のSNPは、ブタ抗病性育種における重要なDNAマーカーとして報告されている。本研究では、これらのSNPと生産、病変および免疫関連形質との関係を調査することで、SNPが病原体認識以外の形質に与える影響について調査した。【方法】宮城県畜産試験場で行われた豚マイコプラズマ性肺炎病変スコア抵抗性系統造成過程で得られたランドレース種の測定値を用いた。対象形質は、7週齢時および105kg時に測定された生産形質4形質、病変形質2形質、免疫関連形質16形質の合計22形質である。ランドレース種において多型の見られる4遺伝子(NOD1、NOD2、TLR5およびNLRP3)上の各1SNPを分析の対象とした。5’ Nuclease Assay法によって調査豚515頭のSNP遺伝子型判定を行い、各形質におけるSNPの有意性検定を行った。【結果】各SNPと生産形質および病変形質との間に有意性は見られなかった。一方、免疫関連形質では、TLR5が105kg時総白血球数に対して有意であった。また、NLRP3は、総白血球数(7週齢時および105kg時)、7週齢時顆粒球リンパ球比率および105kg時血漿インターフェロンγ濃度に対して有意であった。以上の結果から、パターン認識受容体遺伝子上のSNPは免疫関連形質とも関連性のあることが示唆された。