日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-28] ホルスタイン種の主要組織適合遺伝子複合体領域(MHC)DRB3遺伝子型と乳汁中シクロフィリンA量との関連調査

〇鈴木 恒平1、吉成 加奈子1、青野 晃1、早川 麻里子1、小島 孝敏1、吉村 梢2、遠藤 佑真2、渡邊 康一2、野地 智法2、麻生 久2 (1.改良セ、2.東北大院農)

【目的】MHCは乳房炎、ウシ白血病ウイルス量、生産形質及び繁殖性との関連があることが報告されている。また、乳汁中シクロフィリンA(CyPA)は乳房炎を早期診断できるバイオマーカーである可能性が報告されている。演者らは畜産学会126回大会においてMHCDRB3遺伝子型と繁殖性及び体細胞数との関連を報告した。そこで、DRB3遺伝子型を判定し、乳汁中CyPA量との関連を調査した。 【方法】家畜改良センター岩手牧場の牛群検定時のホルスタイン種の乳汁を採取し、乳清を分離し、サンドイッチELISA法でCyPA量を定量した。DRB3遺伝子型はSequence-Based-Typing法で判定した。各個体の体細胞数評価値、採取時の体細胞スコアー及びCyPA量とDRB3遺伝子型との関連を調査した。また、測定後1ヶ月以内での乳房炎発症記録を入手し、発症との関連も調べた。
【結果】体細胞数(対数変換)とCyPA量には弱い相関が見られた(相関係数= 0.231, 95%信頼区間0.108-0.347, P値=0.000298)。アレル頻度が5%以上のDRB3遺伝子101、1001、1101、1201、14011及び1501型についてCyPA量との関連を調べたところ、1101型と有意な関連性が認められた(p<0.05)。CyPA量が高く、高体細胞牛ではない5頭で乳房炎の発症が見られた。