The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. Morphology/Physiology

[P4-04] 運動負荷が細胞損傷に及ぼす影響とその軽減に関する研究

〇Maki IKEDA1, Kenta Aso1, Kazuki Ikeda1, Yume Kitagawa1, Shuji Kumade1, Kaho Hayakawa1, Mitsuhiho Furuse1 (1.Kyushu Univ.)

【目的】一般に運動負荷で体力が増進すると考え、負の効果には目を向けていない。運動負荷による酸素消費量の増加に伴う酸化ストレスの負荷増大は細胞損傷に繋がる。特に競走馬のような家畜には体温上昇による負の影響の軽減策が求められる。フラバンジェノール(FLA)は暑熱ストレス下において抗酸化作用が認められている。そこで、運動負荷が細胞損傷に及ぼす影響と、その影響軽減に対するFLAの効果について調査することを目的とした。【方法】ICRマウスを、水を投与し運動を負荷しない群(対照群)、水を投与し運動を負荷する群、FLAを投与し運動を負荷する群に分けた。経口投与後、トレッドミルで運動を負荷した。その後、血液とヒラメ筋・腓腹筋を採取した。PCRにより筋サンプルの遺伝子発現解析を行った。また、運動負荷前後の体温を赤外線カメラで測定した。【結果及び考察】運動負荷による体温上昇をFLAの投与で軽減できることが確認された。また、ヒラメ筋においてクレアチンキナーゼ、アポトーシス関連遺伝子および抗酸化酵素遺伝子の発現が運動負荷によって増加傾向を、またFLAの投与によってそれらの増加抑制を示した。このことから、運動負荷は細胞損傷を引き起こし、アポトーシスを促進する可能性が示唆された。また、運動負荷前のFLAの投与は運動負荷による体温上昇、アポトーシスおよび活性酸素発生を抑制する可能性も認められた。