The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

Presentation information

ポスター発表

4. 形態・生理

4. Morphology/Physiology

[P4-20] 体温よりもやや高い温度が線維芽細胞のコラーゲン線維形成に及ぼす影響

〇Fuya Kusano1, Haruka Wakasa1, Takanori Nishimura1, Ken Kobayashi1 (1.Hokkaido Univ)

【目的】皮膚の真皮には線維芽細胞が存在し、線維性コラーゲンを産生することで真皮の物理的・生理的な性状を調節している。一方、皮膚の温度は太陽や外気温の影響により、常に変化している。先行研究では、高温処理が線維芽細胞のコラーゲン産生能を変化させるという報告はあるが、日常的に到達する高温度域での検証は少ない。本研究では、このような体温よりもやや高い温度域において、線維芽細胞のコラーゲン線維形成が変化するかをin vitroで調べた。【方法】線維芽細胞はICRマウスの背部皮膚から単離し、2回継代したものを使用した。コンフルエントの線維芽細胞を37、39、41℃で4日間培養し、各実験に供試した。【結果】免疫染色の結果、37℃培養の線維芽細胞では小胞体に局在するI型コラーゲンが観察されたが、41℃培養では一部の細胞で細胞内全体が強染されていた。また、ウエスタンブロッティングの結果、41℃培養の線維芽細胞層ではI型コラーゲン量が減少していた。一方、Ⅲ型およびⅤ型コラーゲンの局在・タンパク質量に変化はみられなかった。走査型電子顕微鏡で細胞外コラーゲン線維構造を観察すると、37℃培養では太い線維が直線的に配向していたが、41℃培養では太い線維が減り、コラーゲン線維の配向が複雑になる様子がみられた。以上より、体温よりもやや高い温度は線維芽細胞のコラーゲン線維形成に影響を及ぼしていると考えられる。