日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-24] 培養脂肪細胞由来エクソソームに含まれるmicroRNAのプロファイリング

〇尾嶋 孝一1、室谷 進1、和田 広夢2、小川 広太郎2、大江 美香1、滝本 浩一2、西邑 隆徳3 (1.農研機構畜産部門、2.長岡技科大、3.北大院農)

【背景・目的】microRNA (miRNA)は21-25塩基長の1本鎖RNAであり、遺伝子発現を抑制する機能を持つ。一方、エクソソームは細胞が分泌する直径50-200nmの小胞であり、分泌する細胞由来miRNAなどを含んでいる。しかし、どのような種類のmiRNAがエクソソームに含まれるのかについては不明な点が多い。そこで、本研究では脂肪前駆細胞であるマウス3T3-L1細胞が分化過程で分泌するエクソソームに含まれるmiRNAのプロファイリングを目的とした。【方法】分化誘導後3T3-L1細胞から経時的に培養上清を回収し、超遠心法にてエクソソーム画分を調製・定量した。エクソソーム画分から全RNAを精製し、miRNAのマイクロアレイ解析に供した。【結果】分泌されるエクソソーム量は脂肪分化が進むにつれ減少したが、分化10日目(DM10)以降再び増加した。DM0、DM4、およびDM12のエクソソーム画分のmiRNAを用いたマイクロアレイ解析では329、426、および406種のmiRNAを検出した。miRNAの標的となる遺伝子のGene Ontology解析を行った結果、転写制御に関する複数のBiological Process項目が候補として挙がった。本結果は、脂肪細胞由来エクソソームに含まれるmiRNAが細胞の転写活性を制御している可能性を示唆している。