日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-29] 哺乳期における抗菌薬無添加の代用乳給与が黒毛和種仔牛の成長に与える影響

〇岡田 隼之介1、田口 祐充1、藤野 亮一1、塩塚 雄二1、衛藤 哲次1、稲生 雄大1、齋藤 昭2、髙橋 秀之1 (1.九大院農、2.全酪連)

【目的】家畜飼料は成長促進や疾病予防のために抗菌薬が添加されている。近年、薬剤耐性菌の出現が世界的な問題となっているため、飼料添加剤としての抗菌薬は将来的に禁止されることが危惧される。しかしながら、抗菌薬を含まない飼料の給与が黒毛和種仔牛の成長に与える影響は明らかにされていない。そこで、本試験は哺乳期における抗菌薬無添加の代用乳給与が黒毛和種仔牛の成長に与える影響を検討した。

【方法】黒毛和種雄仔牛を供試し、対照区(n=4)では抗菌薬であるクロルテトラサイクリン(CTC)を添加した代用乳を給与した。実験区(n=4)ではCTCを添加しない代用乳を給与した。体重、体高、体長、胸囲および胴囲測定と採血は、3、30、60、90、150、180及び240日齢で実施し、血清中の栄養素代謝産物およびIGF-1濃度を測定した。
【結果】体重および胸囲は実験区で高い値を示した(P<0.05)。代用乳、スターター、育成飼料および乾草摂取量に差は見られなかった。血清T-Cho濃度は、実験区で高く(P<0.05)、血清GlucoseおよびBHBA濃度は実験区で低かった(P<0.05)。血清IGF-1濃度は両区で差はなかった。以上より、CTC無添加の代用乳給与は黒毛和種仔牛の増体に寄与することが示唆された。