The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. Morphology/Physiology

[P4-39] オレイン酸がマウス成熟筋線維の筋線維タイプに及ぼす影響

〇Shugo Iseki1, Keizo Arihara1, Yusuke Komiya1 (1.Kitasato Univ.)

【目的】骨格筋を構成する筋線維はその特性の違いから、主に遅筋タイプと速筋タイプに分類される。遅筋タイプの筋線維含有量が多い骨格筋ほど、食肉としての食味嗜好性が高いことが知られている。一方、筋線維は生体内で筋管や成熟筋線維として存在している。我々はこれまで、オレイン酸を筋管に作用させることで、遅筋タイプマーカーや脂質代謝促進因子のmRNA発現量が増加することを明らかにした。しかし、成熟筋線維へのオレイン酸の作用は不明である。本研究では、オレイン酸がマウスの成熟筋線維の筋線維タイプに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】C57BL/6Jマウス(8週齢、雄性)の短趾屈筋から、コラゲナーゼ処理により成熟筋線維を単離した。その単離筋線維を100 μMオレイン酸添加培地(オレイン酸区)で6時間培養後、total RNAを回収した。RT-PCRによって遅筋タイプマーカー(MyHC1)、ミトコンドリア関連因子(PGC1α)および脂質代謝促進因子(PDK4、Cpt1β、Angptl4、Cd36)のmRNA発現量を解析した。
【結果および考察】オレイン酸区の脂質代謝促進因子の発現量は有意に増加したが、MyHC1とPGC1αの発現量に変化はなかった。以上より、オレイン酸は成熟筋線維においても脂質代謝促進因子のmRNA発現量を増加させることで、筋細胞の脂質代謝を促進させることが示唆された。