日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

5. 畜産物利用

5. 畜産物利用

[P5-08] Lactobacillus gasseri LA158における“ガセリシンT”生産動態の解析

〇齋藤 朱音1、長嶋 曜、内藤 豪2、原田 悠暉、増田 哲也1,2、川井 泰1,2 (1.日大生資科、2.日大院生資科)

【目的】ガセリシンT(GT)はLb. gasseri LA158が生産するバクテリオシン(抗菌ペプチド)であり,チーズホエーをベースとする培地では培養24 hでその生産量が最大となるが,乳酸菌の培養に多用されるMRS brothでのGT生産や生育性の経時的なデータは得られていない.そこで本研究では,Lb. gasseri LA158をMRS brothで培養し,GT生産と生育性の動態,およびそれぞれの関連性について検討を行った.

【方法】Lb. gasseri LA158を MRS brothで培養(37℃)し,培養上清中の抗菌活性と生菌数を経時的に測定した.次いで,GT含有培養上清をLb. gasseri LA158の死菌体に37℃・2 h・振盪(80 r/m)の条件で感作後,抗菌活性の減少量から菌体に対するGTの付着量を算出し,生菌(コントロール)に対する付着量と比較した.

【結果】抗菌活性は培養20 hで最大値(78,769 AU/mL)を示した後,培養24 hではその60%量まで減少した.生菌数は培養4~18 hでプラトー(8.0~9.1 log CFU/mL)に達したが,定常後期となる培養20~24 hでは半減した.また,死菌体に対するGT付着量はコントロールの約4.5倍となり,死滅期(培養24 h)におけるGT活性低下要因の一つであると考えられた.